「2015年の世界潮流を読む〜息をのむ激動の年〜」

「2015年の世界潮流を読む〜息をのむ激動の年〜」(講師:寺島実郎さん)
NPO法人知的生産の技術研究会と日本計画研究所の共催。司会を務める。

  • 現象から構造へ。
  • 大学院の修士卒業者7.3万人の2割、博士卒業者の5割が非正規、又は無業者。高学歴フリーター。フラストレーション。分配のゆがみ。
  • 日経はアベノミクスの宣伝媒体と化した。連合は労働者の18%未満を組織。公務員と大企業中心。8割以上は未組織労働者。労働分配率はダウン(2000年63.7%。2013年61.6%9.企業の内部留保194兆円から328兆円へ増加。企業も労働者も「不安」。「構造的要因」。
  • 2010年中国が日本を追い抜いた。2014年2倍。2019年3倍に。一人当たりGDP(豊かさ):2014年アジア4位に転落。「アジアの先頭」は幻想。世界26位。「アジアの追い上げ」。
  • 構造的要因とアジアの追い上げがあり、何となく日本の立ち位置が危ういという雰囲気。プチ・ナショナリズムへ。異様な空気感。
  • 一方で、日本はアジア・ダイナミズムで飯を食っているという現実。訪日外国人2104年は1341万人。台湾283万人、韓国275万人、中国241万人、香港93万人、アメリカ80万人ン、、、シンガポール23万人。大中華圏から640万人(半分)。韓国を加えると3分の2.アジアから75%。
  • 日本の貿易相手国シェア:2014年:米国13.3%、中国20.5%、大中華圏30%。アジア50%。アジアのGDPは世界の中で現在25から30%を超えていく水準、2040年位は世界の50%。
  • 失業率は2000年4.7%、現在4.3%と下がってはいるが、中身が問題。
  • 製造業225万人、建設業から128万人が減少。サービス業(介護、タクシー運転手、ガードマンなどが増加)は471万人増加。製造業より193万円少ない報酬、建設業より167万円少ない報酬。(過去12年間)。
  • 勤労者可処分所得:1990年44.1万円、2000年47.3万円、2014年42.4万円。この15年で月5万円の減。年間60万円の減少。
  • 家計消費構造:消費支出は26873円の減少。増えたのは自動車関係、通信、電気、保健医療、健康保持摂取品、医薬品。減ったのはこずかい、交際費、仕送り、書籍、教養娯楽。貧困化の進行。アクティブではなくなった。学ばなくなった。(2000年から2013年)
  • 内向きの日本。
  • IMFの世界経済見通し:米国2014(2.4%)2015(3.6%)2016[3.3%と絶好調。ユーロ圏2013年(-0.5%)2014年(0.8%)2015年(1.2%)2016年(1.4%)とゆるやかに上昇中。日本2014年(0%。マイナス成長)2015年(0.6%)2016年(0.8%)と低迷。アベノミクスは失敗。
  • 日本株:1万9千円。外国人投資家17.8兆円の買い越し。日本人投資家1.9兆円の売り越し。日本人個人15.0兆円の売り越し。GPIF(年金基金)による買い。クジラ(公的年金)で株を支える構造(32兆円)。共済、簡保、日銀ETFなどを総動員した官制相場。運用能力はあるのか。崖っぷちの選択、禁じ手に踏み込み。反動の怖さ。リフレ経済論者たちは現場を知らない。
  • 米国経済の浮揚:シェールガス・オイル革命と次世代ICTが要因。ビッグデータ時代に向かっての戦略意思。マイナンバー制度。銀行カードと流通がリンクしていく。GE。バーコード開発。レジ不要。トレーサビリティとデータ解析でマーケッティングやマーチャンダイジングが変貌。
  • 2001年のエンロン、2008年のリーマン、それから7年たった。そろそろ、、、。
  • 日本は技術と汗で築いてきた。正気に帰れ。
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命日

  • ロングフェロー:過去を顧みるなかれ、現在を頼め。さらに雄々しく未来を迎えよ。
  • 井伊直弼:重罪は甘んじて我等一人に受候決意。

誕生

  • 新井白石
    • 相手に話が伝わらないというのは、相手のレベルが低いのではなく、自分の話すレベルが低いと心得るべきである。
    • 才あるものは徳あらず。徳あるものは才あらず。真材誠に得がたし。
  • 本多光太郎:産業は学問の道場なり