映画「風に立つライオン」--志のバトン

映画「風に立つライオン」。

アフリカ・ケニアで医療活動に携わった日本人医師・柴田紘一郎(1940年生・大分県出身)をモデルにつくられた楽曲「風に立つライオン」は1987年にさだまさしが発表した。同名の小説をさだまさしは2013年に発表。そして2015年に映画化された。

ケニアにある長粼大学熱帯医学研究所に派遣された日本人医師・航一郎が主人公。
シュバイツアー、航一郎、ンドング、そして東日本大震災による孤児という人を救う「バトン」を繋ぐ物語である。

主人公の上司役の片峰大助博士は、長崎大学の片峰茂学長がモデルである。熱研のシンボリックな存在。寺島文庫のパーティでお会いしたことがある。

そして、「風に立つライオン」をつくったさだまさしのパンフレットの中に、この曲に影響を受けた川原尚行医師は、外務省医務官を辞し単身スーダンに渡り医療活動を開始したとある。現在はNPO法人ロシナンテス」の代表だ。九大医学部出身のこの人とも会ったことがある。

航一郎は、志半ばで倒れるが、その志を彼が育てた人が継いで、繋いでいく。
一つの歌が、形を変えながら多くの人に影響を及ぼしていく。その中に人生を変える人も出てくる。

高校生の時に、布施辰治を描いた「ある弁護士の生涯」(岩波新書)を読んで感激し、貧しい人のために弁護士を志し九大法学部に入った。もしこの映画を見ていたら医者になろうとしたかもしれないと思った。
優れた先達の志、生き方が次の世代を育てることになるのだ。

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東京富士美術館
企画展「とことんみせます!富士美の浮世絵」の後半。
昨年みた前半は葛飾北斎の「富岳三十六景」で、今回は歌川広重の「東海道五十三次」がテーマ。

浮世絵は二大娯楽の遊里と芝居から発している。遊里を題材にした「美人画」、役者をテーマとした「役者絵」。
その次に現れたのが「名所絵」である。
北斎は大胆な構成力、広重は抒情性。二大絵師。
江戸・日本橋から始まって、最終ゴールの京都三条大橋までの全作品を堪能した。

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命日。

  • ベートーベン
    • 向上心に燃えた有能で勤勉な人間には、ここで行き止まりという柵は立てられない
    • 神がもし、世界でもっとも不幸な人生を私に用意していたとしても、私は運命に立ち向かうだろう。
    • 多くの人に幸せや喜びを与えていく。それ以上に、尊くて素晴らしいものなどない。
  • 室生犀星:私をすくうてくれた女の人は、悉くはたらく場所にいた人達である。
  • 柳生宗矩:平常心をもって、一切のことをなす人。これを名人と言うなり。
  • 与謝野鉄幹:妻をめとらば才たけて、顔うるわしくなさけある。

誕生。

  • 今東光:平和になりすぎたら文明も文化も栄やしない。世界は一つにとか何とか甘いこと考えるな。そんなふざけたバカなこと考えちゃいけない。常に破壊と建設、建設と破壊というものは縄をなうようにしていって、そこに人間の生活が生まれ繁栄していき、人生を形づくっていくんだ。
  • 公文公:十で神童、十五で天才、二十歳すぎたらただの人。