岡本かの子「老妓抄」-年々にわが悲しみは深くしていよよ華やぐ、、

オーディブック「老妓抄」(岡本かの子)を読了。

老妓抄 (新潮文庫)

老妓抄 (新潮文庫)

老妓と呼ばれる老いた芸者の平出園子は、自分の人生に不満を感じていた。一途にのめり込んだことのない人生であった。不完全燃焼の人生、、、。
老妓はあるきっかけで、柚木という金儲けの野望を持つ若い青年の面倒を見ることになる。その青年の野望に魅力を感じて、その実現を応援してみようというのである。
やがて柚木は老妓に囲われた生活の中で堕落していき覇気が失せていく。そしてそのような自分に嫌気が差して逃げ出すようになるのだがその度に連れ戻すことを繰り返す。
冷静な老妓が最後にうろたえる場面には意外の思いが浮かぶ。老いた女の執着心を巧みに描く作品である。

最後の、主人公の短歌の意味を深く考えたい。

  年々にわが悲しみは深くして いよよ華やぐいのちなりけり

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名言の暦  5月27日

命日

  • 各務謙吉1939
  • 高峰三枝子1990
  • 長谷川町子1992:常に温かく誠実な一人の女性が、あるとしたら、社会的にどんなに見映えのしない、存在であろうとも、その人こそ、世の中を善くする、大きな原動力であると思います。
  • 武田百合子1993
  • 山地進2005:I LOVE YOU また結婚しようね

誕生日

  • 沢田正二郎1892
  • 頭山満1855
    • 人間は魂さえ磨いて居ればよい。ほかに何も考えることはいらん。国も人も魂じゃ。魂の無い国、魂の無い人は国でも人でもない。
    • 年限は火のついた線香じゃ。それに気がつけば誰でも何時かは奮発する気になるはろう。老若誠に一瞬の間じゃ、気を許すな。
  • 中曽根康弘1918:私はいつも思いついたことを書き留めるノートを持ち歩き、夜寝るときも枕元にメモをする紙を置き、頭に浮かんだアイデアをメモしていった。それをトップダウンでやらせたのである。
  • キッシンジャー1923:.なすべきことをなせば、いかなる状況でも優勢になれる。