「沖縄の自己決定権--その歴史的根拠と近未来の展望」

「沖縄の自己決定権--その歴史的根拠と近未来の展望」(琉球新報社・新垣毅編著)を読了。

沖縄の自己決定権

沖縄の自己決定権

琉球新報社が2014年5月1日から開始した連載「道標を求めて--琉米条約160年 主権を問う」という100回の連載をまとめたものである。
冒頭に富田詢一社長は次のように叫んでいる。
「われわれは43年前に、戦後のアメリカによる占領下で、父と頼り、母と慕った祖国に帰りたいと日本への復帰運動を展開して、ようやく祖国に帰ることができた。しかし、帰った祖国は、思い描いていた祖国ではなかった。」
「、、沖縄の人々が、子や孫に負の遺産を残したくないという強い思いから、いま行動を起こしつつあるのが自己決定権の行使だ。」

1879年の「琉球処分」は琉球国がアメリカなど3か国と結んだ修好条約(この原本は外務省にある。琉球主権国家であった証拠を奪った)を根拠に「国際法に照らして不正であり、琉球国際法上の主体であり、日本の一部ではなかった」と国際法研究者の言を紹介している。
また、日本も1981年に加入してるウイーン条約法条約51条には、「国の代表者への脅迫や強制行為の結果、結ばれた条約(合意)」は無効と規定されている。

この点についての外務省見解は「「琉球処分」の意味するところはについては、さまざまな見解があり、確立した定義があるとは承知しておらず、外務省として確定的なことを述べるのは困難である」とあいまい模糊としている。

こういった歴史認識が沖縄が抱える問題の基礎となっている以上、政治問題化すべきであり、アメリカに対しても琉米条約の「友好」に趣旨に基づいて、黙認した責任を問い、謝罪を求め、基地問題解決に向けた琉米委員会の設置も要求できる、という意見もある。

この点について佐藤優氏は、国際法の義務違反は国内法と違い、条約当事国が義務違反を明示的に言わないと違反にならないが、米・仏・蘭は異議申し立てをしていないから、違反はないと考えられるという。しかし、歴史的経緯についての説明責任はあるとの見解だ。

「経済的自立派可能か---識者に聞く」

  • 谷口誠「東アジア共同体ができれば、本部機能は沖縄に置くべき、、。国際会議場などインフラ整備が必要だ」
  • 寺島実郎「東アジアのへそ、楽市楽座の場として、平和で安定した島としての自立象、他人依存でないシナリオを描くべきだ。、、、本当の意味での観光立国モデルになってtほしい。、、最高級志向のリピーターを沖縄に引き付ける戦略をしっかり描く、、。」
  • 島袋純「1996年ごろから「償いの心」が消え、基地への見返り、すなわち補償政治型の仕組みに変わっていく。、、筋の悪い怪しい補助金をもらわないようにする、、、」
  • 友知政樹「基地が返ってきた後に独立するのではなく、独立したら帰ってくる。琉球が主権を持つからだ。、、東京より近いところに上海、台湾、、、同じくらいのところに北京、香港、ソウル、マニラがある。、、「南海の孤島」ではなく、東アジアのセンターだ」