「トランプ自伝」(ちくま文庫)を読了。
単行本としては1988年に早川書房より刊行された。
当時はトランプは42才。超高層ビルであるトランプタワーなどをつくり話題の主だった。
この本の最後に「さて、次は?」という文章がある。
「これからの二十年間の最大の課題は、これまで手にれたものの一部を社会に還元する、独創的な方法を考えることだ。」「得意なことが二つあることがわかった。困難を克服することと、優秀な人材が最高の仕事をするよう動機づけることだ。これまではこの特技を自分のために使ってきた。これを人のためにいかにうまく使うかが、今後の課題である。」
そして「訳者あとがき」には、妻イヴォンヌの証言が載っている。
「いずれドナルドは他に分野に目を無欠でしょう。それは政治かもしれないし、何か別のものかもしれません。大統領選挙へ出馬することも絶対にないとは言い切れまません」とこの最初の妻は見事に将来を見通していた。
トランプが2000年に著した本では、国家としての米国の貧困化が進むことや中流階級が消滅して格差が広がること、年金や社会保障の問題が深刻化することを指摘している。
伝記ではなく「自伝」には、自己評価率直に語れている。本人が自分をどういう人間かを語っているので、私は自伝を重視している。
さて、若きトランプは、自らをどのように評価しているのだろうか?
そしてどのような主義・信条を持っているのか?
30年近く時間が経った今日の時点で、その言動をながめるのは興味深い。
- 私は取引そのものに魅力を感じる。、、私にとっては取引が芸術だ。、、私はこれにスリルと喜びを感じる。
- 私はだれかが自分に反対したことをいつまでも根に持ったりはしない。どんな時でも有能な人材を確保したいと思っている。
- 昼食といっても、トマトジュース一缶だけだ。食事をしに外へ行くことはめったにない。時間がもったいないというのが主な理由だ。
- 選択の余地はなるべく多く残しておきたい
- 私はいい仕事をしてくれた人は裏切らない
- 私は清潔であることにうるさい
- 取材には、、いつでも短時間で終わらせるようにしている。
- ねらいを高く定め、求めるものを手に入れるまで、押して押して押しまくる。
- 私は物事を大きく考えるのが好きだ。
- 私はあまり高いリスクをおかさないように心がけている。
- 私は自分で調査し、自分で結論を出す。 一番望ましいのは優位に立って取引することだ。この優位性を私はレバレッジ(てこの力)と呼ぶ。
- 記者たちとは正直に話すということだ。相手をだましたり、自己弁護しないように気をつける。
- 人々の夢をかきたてるのだ。人は自分では大きく考えないかもしれないが、大きく考える人を見ると興奮する。 良くしてくれた人には、こちらも良くする。
- けれども不公平な扱いや不法な処遇を受けたり、不当に利用されそうになった時には徹底的に戦うのが私の信条だ。
- 私は必要なことには金を出すが、必要以上には出さない主義だ。
- 本当の魅力は、ゲームをすること自体にあるのだ。
- 私は人を判断するのが早いので、無能な者を長く雇っておかずにすんだ。
- 私は酒をやらず、、。
- 単刀直入なやり方が最も効果があることが多いのだ。
- あくまで粘るかどうかが勝敗のわかれめになることが予想以上に多いのを知っていた
- 私は多くの重要な仕事に女性を起用してきた。
- 何も言われないより悪く言われたほうがまだましだ、、。つまり、論争の種になると売れるのだ。
- 世界最大のカジノは、ニューヨーク株式取引所だ。
- 状況が厳しい時のほうが、有利な取引ができる可能性が強いのだ。
- 一番大事なのは信用である。
- 自分の家族ほど心から信頼できる相手はいない
- 費用を節約する一つの方法は、いわゆるバリュー・エンジニアリングを応用することだ。
- 競争会社から有能な人材を引き抜き、よろ:高い給料を支払い、その手腕に応じてボーナスやさまざまな特権を与える。
- 私はこれまで、最高のものにしか投資しないことをモットーにしてきた。
- そうそうたる顔ぶれの委員会と多額の手数料をとるコンサルタントがいくら協力しても、大した結論は出せない。
- 一応あたってみるのが私の主義である。
- ベストを尽くして、もし:うまくいかなければ次の目標に移れ、というのが私のモットーだ。
- 新聞はもめごとを好む。また大成功であろうと大失敗であろうと、極端な話が好きだ。
- どんなばあいでも、仕事を遂行するのに必要なのはリーダーシップだ。私は一日としてリンクの工事の進行状況をチェックしなかった日はない。
「名言との対話」。11月19日。中山素平。
「大事は軽く、小事は重く」
中山素平(なかやま そへい/1906年3月5日-2005年11月19日/男性)は、東京府出身の銀行家。終戦後、日本興業銀行(後のみずほフィナンシャルグループ)をGHQによる解体から救った経済人として知られ、その功績から「財界の鞍馬天狗」「興業のプリンス」と呼ばれた人物。日本興業銀行頭取・会長、経済同友会代表幹事などを歴任。
「問題は解決されるためにある」
「私利私欲の人、自己顕示の人は全然評価しない。大きなスケールでものを考える人は、右であれ、左であれ、共感を覚える。」
「経営者や後継者の条件にはどのような時代にも共通したタブーがある。すなわちなりたがる人を社長にしたらダメということです。」
「財界の鞍馬天狗」の異名を持つこの人は、部下からは「そっぺいさん」と呼ばれ慕われた。いかにも私利に淡々とした無欲の人柄らしい尊称と言ってよい。小事を軽く扱い過ぎて失敗し、大事は重く扱い過ぎて失敗するのが凡人の常である。中山素平の言うように、淡々といつもの調子で小事も大事もこなしていきたいものだ。
「副学長日誌・志塾の風161119」
13時:品川キャンパスで大学院運営委員会。
- 「知の再武装」:広報スケジュール、
- 各ポリシーの見直し:策定案12月12日。教授会承認(最終)2月11日。
- 教務分科会:学年暦。シラバス。3コースの科目配置。
- 入試広報分科会:体験講座報告。
- 院生分科会
- ビジネスデータサイエンスコース報告
- 規程確認
赤坂見附のホテルニューオータニで所用。
15時半九段サテライトでインターゼミ。
- 金アクティブラーニングセンター長:アクティブラーニング研究会。
- バートル国際交流委員長:上海。来年はタイ、スリランカ、、、、。
- 和泉君:あたらにす。
- スケジュール発表
- 各班での作業
18時:新宿京王プラザホテル「樹林」。
グローバルスタディーズ学部の安田学部長とじっくりと懇談。