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橘川幸夫「ロッキングオンの時代」(晶文社)--ロックな男の脱皮の青春記-

橘川幸夫ロッキングオンの時代」(晶文社)を読了。

ロッキング・オンの時代

著者が取り組んだ20代のロック雑誌創刊の物語である。

そして一人の1950年生まれの青春記でもある。

著者は中学では写真部、高校では山岳部、大学では放送研究会に入り、投稿少年でありマンガ評論家を志望してたのだが、あけぼのを迎えていたロックを応援する新雑誌「ロッキンッグ・オン」(1972年8月創刊)の立ち上げに奔走する。そして後に全面投稿原稿で出来ている「ポンプ」という雑誌も創刊しながら、時代に向きあっって成長していく。

高度成長の余韻が残る東京は熱い。後に名を成す雑多な人々がかつ消え、かつ結んで様様のプロジェクトを始めていた時代を感じる。そのような時代に東京でその流れに参加していることの凄みを感じさせる。

ロックとは何か。以下は、著者の考えだ。

「ロックとは巨大なボリュームで聞くものだ」

「ロックは鑑賞したりなごませたりするものではなく、自分を圧倒させるものだ」「ロックとは、時代と個人のからみあいであり葛藤である」

「ロックというのは、何を言ってんだか解んないけど何を言いたいのかはすごくよく分かるというあのアジテーションのようなコミュニケーションなのだ。逆に言えば、何を言ってるかがもんだいではない。何を言いたいのかが問題なのだ。」

「ロックとは、アプリオリに与えられた日常に対しての脱出行動である。」

「本当のロックとは、そうした体制化の流れに対しても、そこから更にはみ出していくことではないのか」

「現実をわしづかみにし、未来をストレートに凝視めるのがロックの本質」

この本の出版記念パーティで、久米信行さんが「生き方がロックだ」といい挨拶をして感心したことを思い出した。

著者は25歳までの自身を責める文学的方法、そして大いなる転機を迎えた25歳からは読者も自分もすべて肯定する宗教的方法へと著者はこのプロジェクトに巻き込まれながら、脱皮していく。

31歳になって、体制への反逆から、現実に生きている社会と、さらに大きなステージである時代の上に生きていることを確認し、大きな脱皮を行っている。

ロッキング・オンもポンプもやめて、政治と経済の時代を迎える予感の中で社会の仕組みと直接かかわる方向に動き始める。

これ以降も、参加型メディアと参加型社会を追いかけていく。

ホットな場所にはホットな若者がいる。まだ無名でエネルギーが豊富な若者達だ。彼らを応援しながら、その仲間たちというネットワークというぜいたくな武器を身につけながら。時代の息吹を全身に浴びつつ歩いて行くのが、橘川幸夫である。

現在の橘川を眺めていると、20代の経験で得た方法論を土台に、少しづつ自己を積み上げてきたと感じる。その持続力がビジネスの現場で着想と構想を武器に人々を結びつけてやまない不思議な魅力を持つ今日の著者を形づくっている。

同年生まれの私は、自分の20代の出来事を懐かしく思い出しながら読み進んだ。

九州、大企業、東京、北海道、海外と外的世界を拡大し続けてきた私も、30歳を迎えて新たなステージに自分を立たせたが、期せずして同じ姿を発見し深い共感を覚える。

ゲリラ的生き方で一人で世の中と対峙し続けてきた著者、組織人として社会と深く関わっていく私も、よくみれば取り組んだ対象から育てられてきたといえる。

この人の青春の記録も私の場合と同様に「脱皮」のプロセスである。

 

 

「名言との対話」12 月5日。ネルソンマンデラ

「もしもあなたが敵と平和を築きたいなら、敵とともに働かなくてはならない。そうすれば敵はあなたのパートナーとなる。」

ネルソン・ホリシャシャ・マンデラコサ語: Nelson Rolihlahla Mandela1918年7月18日 - 2013年12月5日)は、南アフリカ共和国政治家弁護士である。南アフリカ共産党中央委員、アフリカ民族会議議長(第11代)、下院議員(1期)、大統領(第8代)を歴任。若くして反アパルトヘイト運動に身を投じ、1964年に国家反逆罪で終身刑の判決を受ける。27年間に及ぶ獄中生活の後、1990年に釈放される。翌1991年アフリカ民族会議(ANC)の議長に就任。デクラークと共にアパルトヘイト撤廃に尽力し、1993年ノーベル平和賞を受賞。1994年南アフリカ初の全人種参加選挙を経て大統領に就任。民族和解・協調政策を進め、経済政策として復興開発計画(RDP)を実施した。1999年に行われた総選挙を機に政治家を引退した。ノーベル平和賞を受賞した。

27年間の獄中生活に屈せず、72歳で開放され、悪名高いアパルトヘイト(人種差別政策)の撤廃を勝ち取った南アフリカ共和国の英雄ネルソン・マンデラ。名画「INVICTUS」ではアパルトヘイトに打ち勝ち、牢獄生活を終えて大統領に就任するマンデラが恩讐を超えて、国をまとめあげていこうとする強い決意と大きな戦略を感じることができる。その一つが、ラグビーの弱小チームとの交流だ。南アをひとつにするためにこのチームをワールドカップで優勝させる物語で感動を呼ぶ。

  • 指導者には、民衆を正しい方向へ導いているという自信のもとに、 群れより先を行き、新たな針路を拓かなくてはならないときがある
  • 私たちの生き方のなかでもっとも偉大な栄光とは、決して倒れないということではなく、倒れていくときにいつも起き上がるということの中にある
  • 大きな山を登った後にだけ、人はさらに登るべきたくさんの山があることを見出す
  • 外見は大切。笑顔を忘れぬよう
  • 楽観的であるということは、顔を常に太陽へ向け、足を常に前へ踏み出すことである
  • 教育は最強の武器です。教育によって世界を変えることが出来ます
  • 人は、他人のために行動を起こしたときこそ、本当の人間になれる

敵を倒す。殲滅する。支配する。虐げる。そういう考えでは平和は来ない。新たな差別の歴史が始まるに過ぎない。過去を忘れるだけでは真の和解はこない。昨日までの憎き敵を尊重し、ともに建設に向かう。四半世紀以上にわたる獄中生活で身に付けたマンデラの不動の哲学は、新たな次元を迎えた国家建設の指針となった。リーダーは敵をパートナーに変えるこのマンデラの教えを学びたい。