リレー講座:寺島実郎「2016年の展望」

本日のリレー講座は最終回。
寺島実郎「2016年の展望」

  • ロンドンエコノミスト:3W「wooz/woman/wins」
  • キッシンジャー:400年ぶりの大変化。宗教、民族。イスラム教。トランプ候補の登場、、
  • ドイツ・ケルンの集団レイプ事件など:ささくれだった空気。キリストの誕生からわずか100年後、ウマイヤ朝イベリア半島に進出しピレネーを越えてフランク王国へ。ウイーン包囲。オスマンの脅威。
  • 第一次大戦オスマン帝国解体。1916年のサイコス・ピコ協定(秘密)で石油と絡んだ国境線を確定。1968年に大英帝国スエズからの撤退でアメリカが前面に。1979年のイラン・パーレビ王朝の崩壊。地殻変動とアメリカノ迷走。フセイン、ラディンなど支援した勢力からの反撃。シーア派イランの強大化を招いた。アメリカはイランと核合意。今後イランの石油が市場に登場。サウジが激怒し、イランと国境断絶へ。中東は液状化、火薬庫。
  • 世界経済:IMFの見通し。2015年:世界3.1。米国2.0。ユーロ圏1.5。日本0.6。中国6.9。インド7.3。アセアン5:4.7。ブラジル-3.0。ロシア-3.8。2016年見通し:世界3.4%。米国2.6。ユーロ圏1.7。日本1.0。中国6.3。インド7.3。アセアン5:4.8。ブラジル-1.0。ロシア-0.6。
  • 日本:実体経済は地を這うようだ。株式のみ活況だったが、はげてきた。新年が始まって3000円落ちている。
  • アメリカ:2015年12月に金融引き締め0.25%。1年かけて1%へ。原油の輸出を解禁。
  • 日本:日銀の出口なし。不安。
    • 原油の下落シェールガスが出過ぎて価格軟化で原油にシフト。ロシアつぶしで原油輸出拡大。サウジもイランつぶしで減産しない。これにイランが市場に加わりだぶつくから安くなっている。
    • ハイイールド債が高騰。これがデフォルトになるとどうなるか。パニックになるか否か。コントロールできるか。
    • 日本は中間層は没落、貧困化。しかし社会意識調査では中間意識は持ちこたえているという不思議。褒められたい症候群。内輪受け。

「名言との対話」1月21日。ジャック・ニクラウス

  • 「自分自身をコントロールすること。それは激情を抑えることではない。激情を自分に起こさせない能力をいうのだ。」
    • 1960年代から1990年代にかけて活躍し、ゴルフをメジャースポーツにする牽引力となった人物だ。圧倒的な強さと、トレードマークの金髪により「ゴールデン・ベア」 (熊) とも呼ばれ、史上最高のゴルファーとも称される。日本では「帝王」と呼ばれている。1980年の全米オープンでは日本の青木と4日間の死闘を演じ2打差で優勝している。1月21日はニクラウスの誕生日。
    • 4日間72ホールで1打差を競う過酷で熾烈な戦いを課されている名ゴルファーたちの金言は、心に響くものが多い。それは体力と精神力の、そして技術の限界を超えて勝利に挑む中から生まれるものだからだ。
    • ニクラウスは「球を遠くに飛ばすことより、自分をコントロールすること」が大事だともいっている。それがなかなかできない。
    • ミスショットは必ず起こる。そのときにわき上がってくる激情のままに自分を解放することなく、ふたをしようと試みる。しかしそれでは十分ではない。激情が起こらないように自分を制御する訓練を課し、その能力を身につけることが必要だとこの天才は語っている。グチ、不満、喜び、安堵、、、そういった感情で心にさざ波を起こさないように、そして目の前の課題を一つひとつ全力で解いていく。スコアや勝敗はその結果だということだろうか。