多摩大学付属聖ヶ丘中学高校卒業式に参列−−神聖な仕事

「名言との対話」3月17日。藤原銀次郎。

  • 「仕事の報酬は仕事である」
    • 戦前の三井財閥の中心人物の一人で、富岡製糸場支配人から王子製紙(初代)の社長を務め「製紙王」といわれた。その後貴族院議員に勅選され、貴族院廃止まで在任。米内内閣の商工大臣、東條内閣の国務大臣、小磯内閣の軍需大臣を歴任した。戦前の財界には日本全国に篤志家がいたが、藤原はそのうちでも最も代表的な人物であった。1960年3月17日に90歳で死去。
    • 藤原には「福沢諭吉 人生の言葉」という著書がある。自己の体験を基に、福沢諭吉が教えさとした日常生活の訓言を抜き出した本で、第一級の処世観・経営観をわかりやすく説いている。「偉大なる平凡人」が到達した境地だ。自身を平凡人とみているだけに、藤原の言葉は胸を打つものが多い。
    • 「第一に知恵である。第二に涙である。第三に勇気である。」
    • 「 いやしくもこれをもって身を立ててゆこうというならば、ほんとうに自分で一生懸命になって自分の仕事を覚えてゆくというのでなければならない。」
    • 「事業は人なりとは、昔から変わらぬ私の信念である。80余年の永い私の過去を振り返ってみて、事業が興るのも衰えるのも、結局人次第であると信じる念はいよいよ強くなってきている。」
    • 冒頭の「仕事の報酬は仕事である」とは、藤原銀次郎の言葉だったのか。報酬とは金ではない、地位でもない。優れた仕事をすると、さらに困難な、やりがいのある仕事が与えられる。それがキャリアを磨くということなのだ。