雑誌「新潮45−亡国の教育改革」。
冒頭の二人の知り合いの論客の論文を読む。
- 「教育改革」はなぜいつも失敗するのか−−−竹内洋
- 「人物重視」は社会階層を固定化させる−−芦田宏直
- 「知識軽視の流れ。学びの主体論の罠。生涯学習的な人物論=主体論への収斂。主体性を強調すると親の階層の再生産に。炎上は異階層のマナーの接触から。知識の強度の不足が原因だ」
- 現在我々がどっぷりつかっている自己表現力授業、アクティブラーニング授業の流れへの批判である。芦田さんの視点は昔から一貫している。
- 青山繁晴「日本人のためのパナマ文書の愉しみ方」。小川孔輔「東京ディズニーリゾートを蝕む異変」。神山仁吾「老人ファシズムが国を滅ぼす」を読んだ。
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今日のオーディブル
阿刀田高「好奇心紀行」。好奇心をキーワードに古今東西の異境を探求する珠玉のエッセイ集。
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「名言との対話」6月8日。サチェル・ペイジ。
- 「振り返るな。追いつかれる」
- 野球史上最高の投手の一人と称される人物であり、ニグロリーグ時代に約2500試合に登板し、計2000勝以上をあげ、完封勝利350試合以上、ノーヒットノーラン55試合など超人的な記録を残す。42歳の時に史上最高齢新人投手としてメジャーリーグ(クリーブランド・インディアンス)に移り、チームのリーグ優勝に貢献したほか、1952年と1953年にはMLBオールスターゲームにも出場。1965年にカンザスシティ・アスレチックスと1試合だけの契約で、メジャー最後の登板を果たしたが、その時、サチェル・ペイジは59歳であり最高齢登板記録も樹立。6月8日、逝去。
- 「史上最高の投手は誰か」という本の著者の講演を「知的生産の技術」研究会で聞いたことがあり、その遺業に驚いた。そのペイジの言葉が、この「振り返るな」だ。59歳でメジャーリーグで登板を果たしたとは気が遠くなるような気がする。42歳のイチローが今年3000本安打を達成する勢いだが、そう考えるとまだまだ若いということになる。誰と比べるか、ということだ。前へ、前へ、それが偉業を達成する人の秘密のようである。