レイ・カーツワイル『ポスト・ヒューマンの誕生』(NHK出版)--2045年、シンギュラリティ(特異点)に到達

レイ・カーツワイルの大著『ポスト・ヒューマンの誕生--コンピュータが人類の知性を超えるとき』(NHK出版)を読了。

「生物の限界を超え2045年、人類はついに特異点(シンギュラリティ)に到達する」。

 世界屈指の発明家、思想家、未来学者。さまざまの出来事を予言してきた。現代のエジソンとも呼ばれている。アメリカの発明の殿堂に名を連ねている。12の名誉博士号を持つ。これが著書だ。1947年生まれのベビーブーマー

5歳で発明家になると決めたこの人物は、どのような未来がくるかを探り、魔法である未来のテクノロジーを考慮して、アイデアを練り、絶好のタイミングで具体的な発明を行って成功してきた。その人が語る未来には誰もが真摯に耳を傾ける。

シンギュラリティ(特異点)を提唱し、世界中で話題になった。それは生物とテクノロジーが融合する臨界点であり、その時点以降は人類は人間ではあるが、生物を超越した存在になっている。その臨界点が2045年に来るという。

21世紀前半は3つの革命が同時に起きている。遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学だ。遺伝学で寿命が劇的に伸びる。ナノテクノロジーで肉体と脳を再設計できる。ロボット工学で人間よりすぐれた知能を持つロボットが誕生する。

人間の虚弱な人体は、丈夫で有能なバージョン2.0に変化する。老化せず永遠に生きられる。仕事と遊びはあらゆる種類の知識の創造に向けられる。2030年代から2040年代には人体はバージョン3.0になるだろう。人間の可塑性が拡大し身体を自由に変えられる。他人になり、人格も好きなように決められる。感情も共有される。心が拡大する。思考力が格段に向上する。脳と脳との無線通信が可能になる。医学の進歩しだいで平均寿命は150年、500年、1000年に及ぶ可能性がある。誰もが最高級の知識や教育を享受できる。最貧階級はいなくなる。仕事と遊びの区別がなくなる。

人間そのものが徐々に、しかし確実に、生体から非生物的な存在に変わっていく。こなってくると「意識」がテーマになる。意識(主観)の問題は科学によっては完全に解決できない。哲学や思想が重要になる。進化は神の概念に向かって進んでいる。

リスクは大きいが克服していかねばならない。防御技術への大幅な投資の拡大が必要で、その大部分は抗ウイルス薬と治療だ。

 

「副学長日誌・志塾の風170202」

  • 事務局との定例ミーティング
  • 栢原先生、志賀先生、奥山先生と雑談:入試の状況、20年度以降の大学、学園の将来構想、、、。彩藤先生が加わる。
  • 山本さん:T-studio
  • 高野課長

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「名言との対話」2月2日。菅茶山「雪は山堂を擁して 樹影深し 檐鈴動かず 夜沈沈
閑かに乱帙を収めて疑義を思えば 一穂の青灯 万古の心」

(雪はこの山奥の書斎を包み込むように降り積もり、木々の影は深い。軒端の鈴は少しも動かず、夜は静かに更けていく。乱れていた書物を静かに片付けて、ひっかかっていた部分を考えてみる。すると部屋の灯りがぼうっと青く輝き、 その灯りを通して古人の心が見えてくるのだ。)

菅 茶山(かん ちゃざん(さざん)、延享5年2月2日1748年2月29日)- 文政10年8月13日1827年10月3日))は、江戸時代後期の儒学者漢詩人藩校弘道館教授、藩校誠之館教授備後国安那郡川北村(現広島県福山市神辺町)の出身。

34歳で、私塾「黄葉夕陽村舎」(こうようせきようそんしゃ)を開き、村の子ども達に学問を教える。この私塾を福山藩の郷校とするよう願い出て許可された。後に廉塾と呼ばれる。廉塾は文化文政期に最盛期を迎え、累計では入舎生数は330名余にのぼると推定されている。塾生は四国、九州、奥羽んまで及んだ。1年余り頼山陽が塾頭として活動している。

茶山は謙虚で礼儀正しい人で、さまざまの分野の人と交わった。菅茶山の詩は有名で、平淡な作風は当時の詩壇に大きな影響を与えた。その漢詩の一つが冒頭に掲げた詩である。しんしんと降る雪の中の書斎で書物を読み込み、腑に落ちない部分を改めて考えてみると、部屋の灯りを通して先人の姿と心が見えてくる。書物を読む楽しみを静かにうたっていて、心に沁みる詩である。