文部科学省「私立大学等改革総合支援事業(平成28年度)」の選定が発表された。
多摩大は、今年度4つのタイプ全てで当該事業に選定された。昨年は3つのタイプが選定され、トップ5大学の次にランクされていた。
4つのタイプは「教育の質的転換」、「地域発展」、「産業界・他大学等との連携」、「グロ-バル化」である。
全国の私立大学等の約8割の716校が申請し、1つ以上選定されたのは457大学。4つ全てに選定されたのは9大学のみで、多摩大学以外は下記のとおり。
東北福祉大学。国際医療福祉大学。東京都市大学。芝浦工業大学。武蔵野大学。金沢工業大学。長崎国際大学。福岡工業大学。
理工系と医療・福祉がほとんどで、文科系では多摩大と長崎国際大学のみ。
学内ガバナンス、教職員の協働などが機能していないと点数がとれないので、この選定には大きな意味がある。大学改革の総合指標といえる。
詳細は、文部科学省のホームページ参照。
http://www.mext.go.jp/a_menu/
「名言との対話」3月7日。「苦しみを去って楽しみを求むる道はいかん。答えて曰く、学問なり」
中江 藤樹(なかえ とうじゅ、1608年4月21日(慶長13年3月7日) - 1648年10月11日(慶安元年8月25日))は、近江国(滋賀県)出身の江戸時代初期の陽明学者。近江聖人と称えられた。
中江藤樹の門下生に、熊沢蕃山がいる。その弟子が大潮平八郎であり、佐藤一斎、幕末の藤田東湖、吉田松陰などに受け継がれていった。戦前の小・中学校の修身の教科書には「近江聖人、中江藤樹」の名前が必ず出ていた。藤樹の思想は、戦前までの日本には確かに受け継がれてきた。
内村鑑三が英文で書き西欧社会に紹介した名著「代表的日本人」には、西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・日蓮と並んで中江藤樹も紹介されている。
「父母の恩徳は天よりもたかく、海よりもふかし」
「このたから(真理)は天にありては、天の道となり、地にありては、地の道となり、人にありては、人の道となるものなり」
「天地の間に、己一人生きてあると思ふべし。天を師とし、神明を友とすれば外人に頼る心なし」
「それ人心の病は、満より大なるはなし。」
藤樹の屋敷に藤の巨木があったことから、門下生から「藤樹先生」と呼ばれるようになる。塾の名は、藤樹書院という。
朱子学を学んだ後に王陽明の「知行合一」説に傾倒し、わが国で初めて陽明学を唱えた中江藤樹は生涯、民間にあって身を終わっている。盗賊を感化し、また山で薪をとる者も、田畑を耕す者も、遠村から老若男女が訪れて市井の聖人・藤樹の話に聞き入った。
中江藤樹は人の道を説く学問の楽しみを庶民に伝えようとしたのである。