読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

渡部昇一「名著で読む 日本史」(扶桑社)

渡部昇一「名著で読む 日本史」(扶桑社)を読了。

 名著で読む日本史 (扶桑社文庫)

名著で読む日本史 (扶桑社文庫)

 

 歴史の専門家は30年から50年の間に関する知見は深いが、「通史」を書ける人はなかなかいない。専門家と素人の中間の人間として日本史を描こうとした著者の最晩年の著作である。

日本とは何か、日本人とは何か、こういう問いを抱える身には参考になった。

古代では、「古事記」「日本書紀」「栄華物語」「平家物語」。

中世では、「神皇正統記」(北畠親房)「太平記」「名将言行録」(岡谷繁実)「日本中世史」(原勝郎)。

近世では、「中朝事実」(山鹿素行)「大日本史」(徳川光圀)「日本外史」(頼山陽)。

近現代では、「軍閥興亡史」(伊藤正徳)「近世日本国民史」(徳富蘇峰)「日本文化史」(辻善之助)「紫禁城の黄昏」(R・F・ジョンストン)「東条英機宣誓供述書)。

  • 日本書紀」ができた頃の日本人は、自分の国を「中国」と言っていた。一番大切な国のことだ。シナでは中国というときはインドを意味していた。山鹿素行の「中朝事実」の中朝とは日本の朝廷をさす。
  • 「栄華物語」の著者・赤染衛門は世界初の女性歴史家。道長の栄華が中心。和文で書かれた初の国史
  • 平家物語」:叙事詩。「太平記」は北朝側に立った歴史。倒幕の書。
  • 神皇正統記」は南朝側に立った歴史書。
  • 太平記」:中世の日本。鎌倉、北条幕府、建武南北朝
  • 「名将言行録」:応仁の乱の前後で日本史は変わった。戦国時代から江戸時代までの名将の肉声が伝わる。一級史料。
  • 「日本中世史」は、平安時代から鎌倉時代への歴史の推移を明らかにした。
  • 「中朝事実」は朱子学を批判し、孔子に帰れと主張。古学の開祖。乃木大将が昭和天皇に献上した本。
  • 大日本史」:紀伝73巻、列伝170巻、志・表154巻、全397巻。目録5巻を合わせて402巻。水戸藩は編纂に収入の三分の一以上をかけ続けた。1657年から1906年の250年間。彰考館(往時をあきらかにして来時を考察する)。
  • 日本外史」は、皇室が幕府の上に位置していることを明らかにした。
  • 軍閥興亡史」は、日露戦争から第二次大戦で負けたところまで書いている。明治、大正、昭和をつなぐ軍事を中心とした歴史書。
  • 「近世日本国民史」は、信長から西郷・大久保の死まで100巻。「明治という偉大な時代を書きたい」と思った蘇峰は漢文、筆文字、和本、英語をよめた人物。朝鮮征伐は詳しい。明治を全ては書けなかった。徳川か時代から西南戦争。「吼え狂う 波の八重路を 乗り越えて 心静けく 港にぞ入る」(蘇峰の辞世)
  • 「日本文化史」は、日本文化の核心を追った個人が書いた通史。
  • 紫禁城の黄昏」。「シナには近代欧米的な意味での国家は、かつて存在したことがなく、いろいろな王朝があっただけである」。
  • 「東城英機宣誓供述書」:日本帝国崩壊史の最重要文献。

 さて、どれから読むか。

 

「副学長日誌・志塾の風」170425

  • 川手課長:リスク管理
  • 高野課長:人事委員会。モンゴル。目黒高校。
  • その子先生:渡辺先生イベント
  • 一般社団法人言の葉協会:柿本理事・大槻常務理事と面談。「言の葉」と「私の志」のコラボの可能性。
  • 斉藤S先生:秘書関係学会の講演打ち合わせ

「名言との対話」4月25日。西本幸雄「いわしも大群となると力が出る。みんなが心底から力を合わせることによって、何かが可能になるんや」

西本 幸雄(にしもと ゆきお、1920年4月25日 - 2011年11月25日)は、和歌山県和歌山市出身のプロ野球選手内野手コーチ監督野球解説者野球評論家

20年間の監督生活で8度のリーグ優勝を果たしながら、日本シリーズでは1度も日本一に就けず、「悲運の名将」と言われたが、本人は「幸運な凡将」と自らを語っている。大毎・阪急・近鉄というパ・リーグの弱小チームを一から育てて優勝させたから、西本はやはり名将であろう。

西本の教え子には阪急時代には米田哲也梶本隆夫足立光宏森本潔長池徳士福本豊山田久志加藤英司近鉄では鈴木啓示佐々木恭介梨田昌孝羽田耕一平野光泰井本隆栗橋茂柳田豊などが挙げられる。人材育成の手腕は大したものだ。

「道のりは遠くとも、目標に向かって歩めば、一歩一歩近づくことだけは確かだ」

「レギュラーが決まっているチームは以外と弱い。2つか3つのポジションが決まっていないチームの方が強くなる」

 鰯(いわし)という字は、魚偏に弱いと書く。弱い鰯も烏合の衆ではなく、優れたリーダーが情熱を持ち精魂を傾けることによって、生命を持った有機体としてのまとまりになっていき、それが奇跡を起こす。その創造の秘密をこの名将は知っていたに違いない。「何か」が可能になる。その何かは想像を超えるものかもしれない。