リレー講座:西崎文子東大教授。「歴史から読むアメリカの今」

リレー講座:西崎文子東大教授。「歴史から読むアメリカの今」。

  • トランプ100日。何をなしたか。100日はF/ルーズベルト大統領の100日改革に因む。
  • 二つのレンズ:凸レンズ(遠視用)「今日のトランプ」:公約の実現の暗雲・失敗。「ムスリムの入国制限」(連邦裁の差し止め)。「メキシコの壁」(議会が難色)。「オバマケアの見直し」(見直しの失敗)。「予算案」(議会審議に暗雲:国防・安全・退役軍人は増、環境・労働・農業・エネ・教育・文化などは減)。さらに税制改革(15%)も議会が難色か。
  • 失敗の理由は「反オバマ」が目的かしたこと。軍事力強化。政治手続きが下手。法治感覚の薄さ。利益相反の疑い。ネプチズム(親族優先主義)による権力闘争。
  • 凹レンズ(近視用)「歴史の中の現在」:アメリカ240年史。同時代史。現在は過去と直結という感覚。100年前(19Cから20C)の転換と重なる。「人種問題」。「移民問題」(北・東ヨーロッパ、南欧・アジアの増加による不安の増大から移民排斥・制限へ1924年の出身国割当て制)。「格差と労働」(1870年以降の産業化の進展。農民を置き去り。悪環境テネメント生活。富裕層への憧れ。格差の拡大。
  • ポピュリズムの登場:人民党(第3党)の活動は民主党に吸収される。革新主義運動とポピュリズム運動の分岐。アメリカは分極・分裂へ。
  • 分配:格差による亀裂の拡大
  • 価値:人口構成の変化。人種・世代。譲れない。新しい分裂。
  • 知的潮流:啓蒙主義思想(自由・平等)から価値多元化へ。無限でよいのか。この亀裂でオバマが登場。
  • トランプ:信念。イデオロギーはない、政治手法がポピュリズム。「恐怖」を煽る。「本音」主義。「排外」主義。要するに強烈な「自己本位主義」。
  • 攪乱から距離を置き長期に見つめることだ:リベラリズムを問い直す。どうやったら自由を、どうやったら平等を。政治制度をどうするか。

 

「副学長日誌・志塾の風」170427

・杉田学部長:出校日と出講日。

・高野課長

・川手課長

・渡辺先生:本日のゲスト講師・香港政庁の広報ウーマンと挨拶。近況交換。

・知研・高橋さん:大舘松下村塾での講演。北海道、仙台、、、。

・中庭先生:大学連携のアイデア

・杉田先生:経営学部長会議 

リレー講座:西崎文子東大教授。「歴史から読むアメリカの今」。

 

「名言との対話」4月27日。グラント大統領「君に合戦計画を与えるつもりはない。達成してもらいたいことを計画しただけであり、それをどのように達成するかは君の自由だ」

ユリシーズ・S・グラント: Ulysses S. Grant1822年4月27日 - 1885年7月23日)は、アメリカ合衆国軍人政治家南北戦争北軍の将軍および第18代アメリカ合衆国大統領。アメリカ史上初の陸軍士官出身の大統領。

「どんな戦いにも、両社が『負けた』と思うときが訪れる。そこから攻撃を続けた者が勝利するだろう」」

南北戦争では、グラントには飲酒癖があったが、実に有能であり、数々の困難を克服し、ゲティスバーグの戦いなどで戦功をあげ、最終的に南軍の名将・リー将軍を破った。

1979年には国賓として日本を訪れ浜離宮明治天皇と会見。増上寺を訪れたとき、グラント大統領が植えた松を見たことがある。上野公園でも檜を植樹した。日光東照宮では天皇用の橋を渡る予定だったが、畏れ多いと辞退し、人気がでている。

グラント将軍は部下には目標を与え、達成方法いついては裁量を与えた。目標と裁量の関係を熟知しており、マネジメントの法則を自然に身につけていた。また戦争では互いに自軍が負けていると感じる時点があり、そこで弱気にならないものが勝つという微妙な真理を知っていた。戦争を行う将軍の心理戦にも精通していた。南北戦争における北軍の勝利はこの一人の天才によるところが大きい。