世田谷文学館の「ムットーニ・パラダイス」展。

世田谷文学館でムットーニ・パラダイス展を先日みた。

「ひと言でいうと、からくり・モーション・シアター」。

展示を観たあと、40人ほどの人に向けてムットーニ本人が40分ほど解説してくれるという幸運。

中原中也」(アトラス神)、「萩原朔太郎」(題のない歌の世界)、「摩天楼・スカイスクレーパ-」、(「ジャングル・パラダイス」(生と死。カンターテ)などを鑑賞。精巧なからくりで幻想的な語りで、不思議な時間と空間を楽しんだ。

ムットーニこと武藤政彦は1956年生まれ。少年時代は「お話小僧」「粘土小僧」。中学・康応時代はトランペット、油彩画。1980年代半ばにヨーロッパ外遊を境に油絵から立体作品へ移行。187年、初めての電動式からくり人形作品「天国と地獄」を発表。1990年頃より、複雑な人形の動きとストーリ性が加わり、光・音・装置転換・本人の語りなどの要素が絡み合う「ボックス・シアター」スタイルが確立。

なかなか言葉にできないので、以下、ムットーニの世界に引き込まれた人に解説を願おう。

  • 有栖川有栖「たちまち作品世界に引き込まれ、立ったまま夢を見ているような心地になっていた」「人形も家々も精妙な動きを続ける。観る者の心を撫でるように、ゆっくり、ゆったりと」「物語のオルゴール」
  • 荒俣宏「世俗の聖遺物」「文楽いない幻想を味わい、胸を熱くする。まぜだろう」「観る人の想像力が加わり、物語づくりの共同作業を開始しないとムットーニの世界は成立しない」「武藤君自身の切ないナレーションが観る人々に披露される」「ノスタルジア」「前口上と生演奏付きのカラクリ劇場」「夢の暗箱」

世田谷文学館ではムットーニの暗箱は常時展示されている。

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 新君津ベルカントリークラブにてJAL時代の仲間(客室本部)と親睦ゴルフ。

環。浅山。松本。

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 君津の道の駅。

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「名言との対話」5月15日。井上光晴「四月長崎花の町。八月長崎灰の町。十月カラスが死にまする。正月障子が破れ果て、三月淋しい母の墓」

井上 光晴(いのうえ みつはる、1926年大正15年〉5月15日 - 1992年平成4年〉5月30日)は日本小説家

生前に記していた生い立ちや経歴の多くは虚構であり、「嘘つきみっちゃん」と幼少期のあだ名で呼ばれることもあった。長女の井上荒野は「父は自分を小説化したのだ」と語っている。荒野は「切羽へ」での直木賞をとっている作家である。

瀬戸内寂聴の出家は、4つ年下の井上光晴との関係の清算が動機だったという説がある。5月15日は意井上光晴生まれた日であるが、実は寂聴の誕生日でもある。二人は同日生まれだ。これも小説的だ。

井上光晴の名著「地の群れ」の中の歌であるが、井上光晴自身が創作した手鞠歌であるという。この手鞠歌は短いからこそ原爆の悲惨さを語りかけてくる。