土井英司『エグゼクティブ・ダイエット』(マガジンハウス)

出版プロデューサーで書評家の土井英司さんが「エグゼクティブ・ダイエット」(マガジンハウス)という本を贈ってきたので早速読了。土井さんには一度、取材をしたことがあり、その後もパーティで顔を合わしている。

土井英司さんは、一日一冊のビジネス本を紹介するメルマガ「ビジネスブックマラソン」を12年数ヶ月=4500日以上続けていて、今は読者は6万人を超えている。続けるのは意志の問題ではなく続ける技術を知らなかったからだ、という説には毎日ブログを書き続けている私も賛成だ。

どんなに忙しい人も必ずやせるビジネスマンの最強ダイエット エグゼクティブ・ダイエット

体重を76キロから62キロに落として快調に仕事を続ける40代初めの仕事師・土井英司が放ったダイエット本には何が書かれているか。

・鏡に身体を映して体型をチェックせよ

・一日2食・筋トレ5分を実行せよ

・野菜から食べて、それから魚や肉を食べよ

・スクワット60回、腹筋10回、腕立て伏せ20回から始めよ

・朝は水を摂り前日のものの排出に専念せよ

・ランチはコンビニでサラダ3つを買え(チョップドサラダ・サラダボウル)

以上を参考にしよう。

「時間と健康」に対する意識(コンシャス)がビジネスの、というより良き人生を送るための貴重な資源だ。それは健康寿命を延ばすことになり、日本社会の課題に貢献するだろう。「遊び」が人間の仕事になる時代を迎えようとしている今、2045年のシンギュラリティに向けて、改めて身体に着目したい。

著者本人の「使用前」と「使用後」の比較写真が載っていないのは、画竜点睛を欠く気がするが、どうだろう。

 

「副学長日誌・志塾の風」170602

授業:本日のテーマは「図解文章法」。

ラウンジ

・杉田学部長

・松本先生

・高野課長:学長からの伝言

・杉本係長:戦略会議

研究室

・橘川先生:永平寺、マニタ書房、ユーチューバー、、、、

・事務局との定例ミーティング:宮地局長・川手課長。

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「名言との対話」6月2日。小田実「人間古今東西みなチョボチョボや」

小田 実(おだ まこと、男性、1932年昭和7年6月2日 - 2007年(平成19年)7月30日)は、日本作家・政治運動家。体験記『何でも見てやろう』で一躍有名になった。日本に多い私小説を批判し、全体小説を目指した。九条の会の呼びかけ人の一人。

世界を貧乏旅行して好奇心の赴くまま見て歩いた「何でも見てやろう」(1961年。29歳の時の出版。河出書房新社)という本が大ベストセラーになって、大学生のときに興奮して読んだ記憶がある。「たしかにアメリカ合州国から始まって世界大にひろがった旅は、私の思考、人生に大きく風穴をあけた。そこから風は激しく入って来て、余分なものを吹き飛ばした。私はそれを書いた。」と小田が述懐するこの本は若者の世界への目を開いた歴史的な本だった。

小田実は1960年代後半から1970年代前半にかけて活発に活動していた「ベ平連」(「ベトナムに平和を!市民連合」)を創るなど政治活動に多くの影響を与えた。大学時代にはこの人の発言に注目していた。就職後、20代の後半にロンドンで仕事をしていたが、そのとき、小田実が近くを通った。事務所にいると、中東地区を担当する偉い人(この人は豪放な人として有名だった)が「オメエ、小田まことって知っているか?」と聞くので、「それは有名な人ですよ」と答えたら、「そうか。オレは小田実(小田みのる)なら知っているが、小田マコトなんてしらないと答えたが違っていたかなあ」といって笑ったので、私もおかしくなったことを思い出す。

その後、日本に帰り30歳頃から知的生産の技術研究会(知研)に参加した。このとき「激論!ニッポンの教育」(講談社)という本の編集の手伝いで旧・吉川英二邸を訪れたことがある。ここで有識者の座談会を行い、それを編集して本にするという企画だった。私がその場所に入ると、誰かがソファに寝そべっていた。起き上がるそぶりもないその人に挨拶をするとそれは著名な学者の小室直樹だった。その後、朝日新聞の原田先生と毎日新聞の黒羽先生がみえ、文部次官経験者、そして小田実が現れた。いったいどんな座談会になるのかと思っていたのだが、始まってみると当時の教育の主流である次官経験者と舌鋒鋭くそれを批判する小田実の一騎打ちの様相を帯びてきた。小田実は体が大きく骨太な骨格を持った偉丈夫だが、相手の理論を真上から粉砕しようとする迫力があった。後で講談社の編集者に聞くと「小室直樹も毒気が強いが、小田実は毒の強さが上だからね」という返事だった。

大阪での知研の講演の前のに時間があって二人で喫茶店でしゃべったとき、考えがまとまってきた「図解」の理論を説明したら「それは大変なこっちゃなあ」と感心してもらったことを思い出す。セミナーの司会を私がやって、会員の車で小田さんを送っていった光景を思い出す。風圧は強いが、気さくな、そして大きな人だった。

「まあ、もうちょっと、行ってみようやないか。ほんとうに未知なものにむかって進むとき、人はそんなふうに自分に対して言うほかはない」

「ひとりでもやる。ひとりでもやめる」

二つ上の同志であった小中陽太郎は「この男には世界大の題材を摑み取るエネルギーとマイノリティにこだわる人生観の両面があった」と著書で語っている。もちろん世界と一人で対峙する魅力もあるが、等身大の小さな人間としての視点で動き、人々を巻き込んでいく姿も魅力的だった。そうだ、偉そうなことをいっても、人間は皆チョボチョボなんだ。小田実が言うと共感が湧き、何か可笑しい。肩の力を抜こう。