「風吹けば 風吹くままに 港よしと 百船千船 うちつどひつつ」。新しいこと。

2018年が明けた。家族そろっての元旦。

近所の神社でお参りとおみくじをひく。大吉。

「風吹けば 風吹くままに 港よしと 百船千船 うちつどひつつ」。

 新しこと2つ:「名言との対話」(平成命日編)とPodcast配信「偉人の名言366」。f:id:k-hisatune:20180102070023j:image

正月三が日は、今年の計画を立てる期間。

2015年は「名言の暦」と題して命日と生誕の人の名言を、毎日記した。

2016年は「名言との対話」と題して、命日の偉人とその名言を選び、毎日対話した。

2017年は「名言との対話」と題して、誕生日の偉人とその名言を選び、毎日対話した。

2018年は、平成が終わる時代になるので、1989年(平成元年)から平成の終わりまでの期間に亡くなった人物を取り上げて、その人の名言と対話しながら、平成時代を自分なりに送ることをやってみようか。過去3年と比べて、最も難しいプロジェクトになるだろうが、挑戦してみることにしよう。

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2018年1月1日(本日)よりポッドキャストインターネットラジオ)) の配信を開始した。無料。毎朝5時に配信。声優が読む偉人の名言 を楽しもう。 『偉人の名言366命日編~人生が豊かになる一日一言~』

iPhone: https://itunes.apple.com/jp/podcast/id1323710347

Android: https://castbox.fm/va/1115874

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19時20分からのNHK「風雲児たち--蘭学革命篇(らんがくれぼりゅーしょん)--解体新書誕生をめぐる笑いと涙の正月時代劇!」をみた。前野良沢杉田玄白の対比で「解体新書」の成立過程を描く物語。三谷幸喜脚本。前野良沢は中津藩の藩医であるので、中津でも話題になっていた。翻訳の出来にこだわる完全主義者の良沢、ある程度のレベルでも出版すべきであるとする玄白。どちらも医学の進歩のために考え抜いた上での行動だ。

吉村昭『冬の鷹』は、「解体新書」成立の過程を克明な調査で再現した労作である。主人公は豊前中津藩の藩医前野良沢。もう1人は杉田玄白。そして平賀源内高山彦九郎が脇役として登場する。ターヘル・アナトミアという蘭書の翻訳という医学史上の偉業を、盟主として実現した前野良沢の名前は、「解体新書」の譯者にはない。その謎が解き明かされる伝記である。
この本を読みながら思ったのは、それぞれの性格にふさわしい人生を送ったのだということだ。かたくなに主義にこだわる良沢、たくみにプロジェクトを実現させていく10歳下の玄白、そして華やかな才能を使いつぶす源内、政権の朝廷への返上を画策する行動力を示す彦九郎。性格タイプのエニアグラムでみると、良沢は観察者、玄白は成功を目指す人、源内は冒険者とみえる。人は背負った性格というOSにのっとって生きているのだ。 

ターヘル・アナトミアの翻訳事業は難行だった。蘭語で書かれた文章には手も足も出ない。櫓も舵もない船で大海に乗り出したのだ。この突破口は、人体の図の中にある単語を本文の中に探して、そこから類推して意味を探るというやり方だった。そして2年以上の歳月を費やして翻訳は完成する。中国医学五臓六腑説を粉砕する革命的な所業だった。

源内は52歳で病死。玄白85歳での長寿での穏やかな死。良沢は81歳で娘の嫁ぎ先での死。彦九郎は追いつめられて自刃。
良沢「人の死は、その人間がどのように生きたかをしめす結果だ。どのように死をむかえたかをみれば、その人間の生き方もわかる」

 

 

「名言との対話(平成命日編)」1月1日。出羽錦 忠雄勇退の 伯父にはなむけ 初賜杯

出羽錦 忠雄(でわにしき ただお、1925年7月15日 - 2005年1月1日)は、東京府南葛飾郡(現:東京都墨田区)出身の元大相撲力士

栃若時代、柏鵬時代の力士で幕内在位77場所と長く土俵で活躍した。得意の左半身になるとテコでも動かず、土俵の鬼・若乃花とは3度の引き分けを演じ、大横綱大鵬を決め出しで土俵下に投げたこともある。腰の重さと多彩な技を持ち、金星は10個と大物食いだった。燻し銀の関脇として印象に残っている。

土俵を離れてからの出羽錦は、巧みな話術と人間味のあふれる笑顔で、1999年9月場所までNHK大相撲解説者として一世を風靡した。力士として25年、親方として25年、そして解説者として10年を過ごした。貴花田、若花田、曙が活躍した時代に、ユニークな語り口とユーモアのある語りは人気があり、記憶に残っている。相撲解説のとき、「寝て起きて また強くなる 貴花田」「が 朝日に変わる 九月場所」など即席の句などを披露した。

 逆に川柳に詠まれたこともある。「などは 安いもんだと 若秩父」と詠まれるように若秩父が豪快に塩を播いて人気をはくしたのと反対に、出羽錦は塩を申し訳程度にちょっと播き、「出羽錦 塩の値段を 知っており」と詠まれているのも面白い。

私の好きなのは「勇退の 伯父にはなむけ 初賜杯」である。日本相撲協会理事長の二子山親方(初代若乃花)が勇退する場所に、可愛がった甥の貴花田が初優勝し、優勝旗を渡す名場面を詠んだ人情味あふれる名句だ。

 

 

 

 

 

 

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