文藝春秋4月号からーー狂言は究極の「人間賛歌」です(野村萬斎)

文藝春秋4月号

文藝春秋 2018年 04 月号 [雑誌]

特集「銀行淘汰が始まった」。

森信親(金融庁長官):・金融機関が国民の資産形成を助けているか、顧客企業の成長に役だっているか。・つみたてNISA(少額投資非課税制度)で国民が投資の成功体験をすること。

佐藤康博(みずほFG社長):金融情報産業になる。ブロックチェーン(分散型台帳技術)。Jスコア(個人向け融資事業。スマホアプリでプレスコア。金利が左右。1000万を0.9%金利)。アリペイがローソンで利用。2020年。QRコード。Jコイン。

小野展克(名古屋外国語大学教授):30歳の有力地銀のマンの100人の同期の半分がやめて、県庁や市役所などの公務員に転職した人が圧倒的に多い。銀行はスマホのアプリの一つになってしまう。芝麻信用(中国)は個人の信用力が点数化。高スコア者は様々な優遇。信用を担保できるブロックチェーンの破壊力はすさまじい。

船橋洋一

・電池を制するものが電動を制する。電気自動車の製造コストの7割がリチウムイオン電池。次世代電池の戦い。全個体電池(トヨタ)。コバルト、ニッケルなどの材料確保戦争。

野村萬斎井上ひさし作「シャンハイ・ムーン」を演じている)

狂言は究極の「人間賛歌」です。、、狂言は「人間」を描く手法を独自に確立していますが、僕はその手法が他のジャンルに負けないことを証明したい。、、、一方で、、狂言を俯瞰してみるために、感性を育てるために、演劇や映画などの他のジャンルに挑戦しています。・消費されて捨てられる茶碗ではなく、色を塗りなおしたり、お茶の淹れ方を変えてみたりと、長く愛される茶碗でありたいです。

蓋棺録

金子兜太:「日銀を食いものにしよう」と決心して俳句に邁進。98歳。

石牟礼道子水俣は日本の近代化が見える場所です。今の日本とはこうして出来たのだという原型がここに刻まれている」。90歳。

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今日は東日本大震災から7年。あの震災で亡くなった方では宮城県石巻市の元市長だった土井喜美夫氏がいる。1993年から2000年にかけて衆院選に3回、参院選に1回挑戦したが、いずれも惜敗した。2003年石巻市長に当選。2005年の合併市長選にも当選。2009年の選挙で敗れる。2011年3月11日に東日本大震災で死去。仙台の宮城大時代に何かの会合で接した記憶がある。合掌。

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「名言との対話」(平成命日編)」3月11日。上村松「鳥の生活を理解しなければ、鳥は描けない 」

上村 松篁(うえむら しょうこう、1902年明治35年11月4日-2001年(平成13年)3月11日)は日本画家

母は近代美人画の大家・上村松園。父は松園の師の日本画鈴木松年ともされるが、未婚であった松園は多くを語らなかった。 松園は竹内栖鳳に師事した近代美人画の完成者で、女性初の文化勲章受章者だ。村松は松園の嗣子で近代的な造形感覚を取り入れた花鳥画の最高峰で、文化勲章を受章。松園の美人画花鳥画に置き換えた画風で、母と同じく文化勲章を受章している。松篁の息子も文化功労者となっている同じく日本画家の上村淳之である。

奈良の近鉄グループの総帥・佐伯勇の自宅は現在では上村松園ら3代の日本画家の松柏美術館になって解放されていて訪問し、3代にわたる上村家の画業を堪能したことがある。

母・上村松園「一途に、努力精進をしている人にのみ、天の啓示は降るのであります」と言い、その息子は「鳥の生活を理解しなければ、鳥は描けない 」と言う。親の姿勢がそのまま子に伝わっている感じがする。

上村松篁は鳥写生にこだわった。インドオーストラリア東南アジア等を旅行して鳥を観察している。また、アトリエの敷地にも大規模な禽舎(鳥小屋)を設け、1,000羽を超える鳥を飼って生涯にわたって観察を続けていた。精進を重ねた母の影響、そして本人のあくなき探究心、それらがこの言葉を生んだことがわかり、その重みに粛然とする。