白洲正子の書物を揃える

さて、入手した白洲正子の以下の書物を読んでおこう。

余韻を聞く随筆集 夕顔 縁は異なもの (知恵の森文庫)鶴川日記 (PHP文芸文庫) 

 

白洲正子“ほんもの”の生活 (とんぼの本)総特集白洲正子 (KAWADE夢ムック)白洲正子 美の種まく人 (とんぼの本)白洲正子の世界 (コロナ・ブックス)

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・書斎の片付けも最終段階。

・町田で弟と昼食を食べる。ゴルフの予定。妹と一緒の食事会、、、。

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「名言との対話(平成命日編)」5月4日。長洲一二「できるだけ、本物に接しておきたい」

長洲 一二(ながす かずじ、1919年7月28日 - 1999年5月4日)は、日本政治家経済学者

安田商業学校卒業、日本銀行、横浜高等商業卒業、東京商科大学卒業、三菱重工、海軍経理学校卒業、東京商科大学特別研究生、GHQ翻訳部、極東軍事裁判齭言語部。母校の横浜経済専門学校(横浜国立大学)教官となったのが28歳、44歳で教授、45歳経済学部長は3度つとめた、55依願退職。56歳神奈川県知事に当選し5期20年つとめた。「地方の時代」は長洲の造語である。

「連日、朝から夜まで、さまざまな人に逢い、書類に目を通し、車で走っていくつもの集会で挨拶し、部屋に戻り報告を受けて指示を出し、またあわてて部屋を出る。どんな人、どんな問題との接触も、たいていは分刻み、多彩なテーマが、次々に私に判断を迫る」。これが知事の生活である。この激務の中で深夜の読書の感想を記したエッセイ集『ただ人は情あれ』(草思社)を読んだが、この人は本物を求めた人だったという感慨を持った。仏教、岡本かの子マザー・テレサ遠藤周作唐詩選、山本周五郎、、、、。

長洲は「釈尊マルクス・周五郎」を尊敬するとユーモアも混ぜながら、山本周五郎を語ることもあった。山本周五郎は偉そうな口をきく人間を心底嫌っていた。ご都合主義の「革新」イデオロギーよりも、人間の真実への「保守」を尊んだと長洲は書いている。革新知事だった長洲知事は次第に保守に傾いていく。最近、沢木耕太郎が「文芸春秋」で「山本周五郎との三度の出会い」という一文を書き、「山本周五郎名品館」四冊を編んでいることを知った。沢木耕太郎が長洲ゼミの卒業生だったことに何か縁を感じてしまう。武者陵司、杉田亮毅、内田弘、栗田健元、神代和欣など長洲ゼミには人物が多く出ている。西洋思想は原因から結果が生まれるとするが、仏教ではその間を「縁」で繋いでいる。縁を媒介にして因果を結ぶのである。長洲も縁を大事にしたようである。

私も大学時代には長洲の本を読み、知事になってからの動きも知っている。また長洲知事に師事していた多摩大の同僚教授からも時折、この人のことを聞く機会もある。

忙中の小閑を得たら大切な本質的なものごとに触れておきたいという気持ちが起こる。宗教に惹かれる長洲一二は「考える知事」を目指し、本物、本質を追ったからこそ、20年という長い歳月を走り得たのであろう。