T-Studio「名言との対話」第31回をリリース。小林英夫教授の「座右の銘」を巡って。

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「名言との対話」第31回 多摩大学経営情報学部 小林英夫 教授の「座右の銘」.。
ゲストは多摩大学経営情報学部 小林英夫 教授。「座右の銘」は「精一杯 やってだめなら 仕方がない」。一見ネガティブに思える言葉に込められた真実は、上手くいかないことの方が多い人生で、支えとなる考え方、物事に対する姿勢など、柔軟で深い意味が含まれています。若い人たちに是非伝えたい言葉。
ゲスト:多摩大学 教授 小林英夫。ナビゲータ:多摩大学 教授 久恒啓一
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連休の風景。
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「名言との対話(平成命日編)」。5月5日。古川薫「樹液の環流を聴く樵のようでありたい」

古川 薫(ふるかわ かおる、1925年6月5日 - 2018年5月5日)は、日本小説家

山口県下関市生まれ。軍国少年として育ち、航空機のエンジニアになるため宇部工業学校(現山口県立宇部工業高等学校)機械科を卒業。航空機会社に勤務した。1945年に召集され、沖縄戦に向かう予定だったが、その前に敗戦を迎えた。1952年に山口大学教育学部を卒業。教員を経て山口新聞みなと山口合同新聞社)に入社。編集局長を経て、1965年から作家活動を始め、同年「走狗」で直木賞候補になる。以後、候補になること最多の10回に及ぶ。1990年藤原義江の伝記小説『漂泊者のアリア』で第104回直木賞を受賞した。1991年には山口県芸術文化振興奨励特別賞を受賞した。

主題は長州藩山口県とその出身・関連人物で、幕末期の長州藩とその出身・関連人物を取り挙げた歴史小説・随筆などが作品の大多数を占める。また山口県出身の人物を扱う作品も多い。長州、山口をテーマとした作家であった。

 下関市立近代先人顕彰館の名誉館長として書き続けていた「名誉館長のつぶやき」の3月20日の第279回「樹液の環流を聴く」が最終回となった。「わしら樵(きこり)は、クヌギの樹液が環流する音を聴きながら、シイタケを栽培しとるんじゃ」、「毎朝、クヌギの樹液の環流する音を聴いているうち、その音がピタリと止むことがある。その日のうちに伐採したのを並べて枯らしたのを榾にして菌糸を打ちこむ。これが上等の椎茸を作る秘訣じゃ」という話に感激して色紙に書くようになったという逸話である。

本日のホームページをみると「開館当初から続いた「名誉館長のつぶや記」ですが、今回をもちまして最終回とさせていただきます。長らくのご愛読、誠にありがとうございました」とある。命が途切れたときに長く続いた連載が終わったのだ。

初めて直木賞候補となった40歳から、候補は最多の数年おきに10回に及び、25年越しの65歳でようやく宿願を果たし、その後も作品を書き続けた。「樹液の環流を聴く樵のようでありたい」は絶筆の中にある遅咲きの郷土作家・古川薫の「志」である。長州・山口という大木の中を環流する樹液のごとき人々とその歴史を樵のように耳を澄まして聴き続け、上等の椎茸のような作品を上梓し続けたこの継続の人に学ぶべきことは多い。