VRのゴーグルでホラーを観賞

ラウンジで彩藤先生から、バーチャルリアリティ(VR)のゴーグルでホラーをみさせてもらう。立体映像とステレオ音声で楽しなんだ。機器は案外安い。

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・酒井先生(非常勤)

・大澤先生(非常勤):今年の授業の様子。本務校。

・後藤先生:学修サービス

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 「名言との対話(平成命日編)」5月15日。高坂正堯「古典を読んでわからなければ自分をアホだと思いなさい。新著を読んでわからなければ、著者をアホだと思いなさい」

高坂 正堯(こうさか まさたか、1934年昭和9年)5月8日 - 1996年平成8年)5月15日)は日本国際政治学者

「近代の超克」を唱えた哲学者高坂正顕の次男。師事した猪木正道は高坂の没後に、「高坂は僕が教えた中では、ピカイチの天才だった」と回想している。高坂の弟子には中西輝政、出口治明などがおり、多くの研究者を育成した。「阪神戦の為に休講」にするほど熱烈な阪神ファンだった。また升田公幸三を二番続けて破ったほどの囲碁の打ち手でもあった。

論壇にデビューした当時は坂本義和らの「非武装中立」が注目を集めていたが、高坂はその道義的な価値を認めつつ実現可能性の難しさを指摘、軍事力の裏付けのある外交政策の必要性を主張した。この論敵との論争をしたが、坂本の書の書評では「私は敬意と共に異論を称えたい」という言葉で結ぶなど最後まで礼を失わなかった、という高坂を見い出した粕谷一稀の証言がある。

歴史を基礎的教養とし、その上に政治的事件の連続としての政治史を構築していった 高坂の視点は進歩史観ではなく、現実の社会や歴史は成熟してゆくが、やがて変質し崩壊してゆくものであるという古典的なペシミズム、保守主義に貫かれていた。英国史を趣味としていた高坂にとって大事なことは歴史への考察であり、構想であった。

高坂の『現実主義者の平和論』『古典外交の成熟と崩壊』『文明が衰亡するとき』『宰相吉田茂』『海洋国家日本の構想』などから 、今日の日本にも当てはまる言葉を、以下に拾う。

・善玉・悪玉的な考え方は、われわれ人間が行動力には勤勉でも、知的には怠惰な存在であることに原因している。

・第二党とは明日にでも実現できることを語る政党であり、異端とは、いつ実現できるか判らない理想を語る人々である。ともにその独自の使命を持っているが、その機能は全然異なるものである。

・今後ナショナリズムに精神的な価値を与えないことこそ、われわれのもっとも必要とすることなのである。いったんナショナリズムを崇高化すれば、それは絶対のものとなり、それ自身が目的となり、したがって妥協不可能なものとなってしまう。

日本の外交は、たんに安全保障の獲得を目指すだけでなく、日本の価値を実現するような方法で、安全保障を獲得しなければならないのである。

 コメンテーターとしてテレビ朝日系の「サンデープロジェクト」にも出演したり、「朝まで生テレビ」の初期にもパネリストとして出演している。世界まるごとHOWマッチ毎日放送制作・TBS系列)のゲスト解答者でもあった。私は高坂のひょうひょうとした風貌と京都弁の柔らかい言動は主としてテレビを通じてしか知らなかった。今となっては恥ずかしい思いがする。

29歳で「現実主義者の平和論」でデビューした高坂正堯は「私は下賀茂に住まう京都人として死にたい」とつぶやき、若くして惜しまれながら世を去った。

この文章を書きながらもはや古典となった感のある高坂正堯の書を含め、やはり古典に親しむべきであるとの想いを強くした。

忘れえぬ人びと (第1巻) (粕谷一希随想集(全3巻))