学部の授業:図解のテーマは「新聞の社説」と「日本の論点」。受講生の反応は?

「ビジネスコミュニケーション」の授業の12回目からは、文藝春秋『2018年日本の論点』で、各界の論客が書いた政治から経済、社会、技術、スポーツ、文化にいたる論文を図解するという難題に挑戦する。そしてパワーポイントによる図解の描き方を講義。以下、アンケートから。

・図解の本質に気づいた。自分の意見をようやく持てるようになった。図解は生きる上で必要。決断力に欠けていたが、図解で全てが変わった。自分の考えが180度変わった気がする。・北朝鮮アメリカの問題について図解したが、悩んだが最後は良い図が描けた。中国が大きく変わっていることが分かった。今頭の中でも図が浮かんでいるので良いPPTが作れるように授業も頑張りたい。・自分の課題は睡眠についてだが、実際色々と悩んでいた事なのでどんどん深堀して理解を深めたい。・文章でどれだけ凄い人がどれだけ凄い内容を書いていても、内容があまり入ってこないのは納得がいく。図解を駆使してパワーポイントでもできるようになりたい。・新元号の話は中々面白かった。元号の変わるメカニズムが知れて良かった。・どのようにすれば分かりやすくできるのか?というのが、経営情報という分野に沿っていると思えた。ITを経営で活かす、どう活かすかがポイントであると分かった。・これからの教育は「学力」や「偏差値」では勝負できない。必要なのは「モチベーション」である。・読む時、色ペンを上手く使うことで理解しやすくなることを学んだ。就職において学歴はもう関係なく実力主義であり、自分の得意分野に合った大学を探していく必要があるということを知った。・授業外の時間も使って取り組むようにしたい。・どこが重要で、どこが必要ではないか判断できるようになってきた。・一人一人違う資料なので一人で見えてこなかった部分があり、みんなと協力してやるのでは違うものが見えるため、勉強になった。・自分の課題のテーマが、論理的な文ではなく、出来事をただ書いているだけの論文に見え、図解しにくいと感じた。・今回のテーマは研究のしがいがあると感じた。

パワポだと修正や追加などが容易に行えるので便利だと思った。・パワーポイントについて詳しくなった。・パワーポイントが図解のためのものだと思ってなかった。・パワーポイントの使い方を本やネットなどで調べマスターしたい。・パワーポイントの説明が分かりやすかった。・図解を駆使してパワーポイントでもできるようになりたい。

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 前回の新聞の社説の図解に挑戦した11回目の授業アンケート。自信がついてきたことがうかがえる。

・社説を図解したことにより自分に自信がついた。これから武器にしていくことが出来る気がする。・ 図を書くのが少しずつ楽になってきた。成長を感じる・11回目なので図解が上手く書けるようになった。・図解する能力がついてきた。読解力を身につけたい。・はじめと最後の結論を先に読み、全体を理解すると、内容、関係性が分かった。・だいぶ慣れが出てきてスムーズに頭が動くようになった。・何事も練習、経験により上達するのだと理解した。・スラスラ書けた。重要なキーワードを探し当てられるようになった。・スラスラ図解できた。・図解して自分の意見を持てた。・図解の書き方の能力が上がり、特別講座の松本先生の講義の時、図解で分かりやすく鮮明に書けた。この講義を受けて良かった。・楽しく図解できた。もっとたくさん図解したら、もっと簡単になるのかと思うとわくわくする。・図解でき大きな達成感があった。・完成した図をみて頑張ったと思った。・図にする時に内容をしっかり読むので詳しくなった。・図解の書き方のポイントが分かってきた実感があった。・図解を自分の武器にしたい。・関係性を組み合わせていくのがパズルの様で少し楽しく感じた。・頭の回転が速くなった気がする。・大事なところをまとめる能力も上がったと思う。・社説を毎日チェックしようと思った。

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・橘川先生:フリーあご足マッチングPJCT。子ども向け図解教科書PJCT。デベソ。ロート。会社。、、、

・事務局との定例ミーティング

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「名言との対話(平成名一編)」7月6日。森瑤子「積極的に、肯定的に生きている人は、やっぱり、毎日が華やぎ、いいことが起こっていく」

森瑤子(もり ようこ、1940年11月4日 - 1993年7月6日) は、1980年代に活躍した日本小説家

東京藝術大学卒業後、広告会社に3年ほど勤務し、英国人コピーライターと結婚。1977年(昭和52年)、夫がいて子供がいて、生活は豊かで幸福だったが、池田満寿夫エーゲ海に捧ぐ』の芥川賞を受賞を知り、刺激され『情事』を書く。 38歳 『情事』で第2回すばる文学賞受賞。37歳でデビューしてから52歳で没するまでの短い活動期間に、小説エッセイ翻訳など100冊を超える著作を生んだ。作品は20回以上テレビドラマ化されている。

都会に生きる成熟した男女の性愛や恋愛の機微を、洒脱な乾いた文体で描き出す筆力。貿易商を営むイギリス人の夫と3人の娘と共に六本木に住み、休日には軽井沢や伊豆の別荘で過ごす生活スタイル。華やかなファッション。こういったバックグラウンドで、女性たちのカリスマ的存在になる。女性の生き方、お酒やファッションなど繊細で独特の美意識に裏打ちされたエッセイは人気が高い。しかし実物は大柄でゴルフとテニスで年中日焼けしている健康な人だったのが、意外である。

そういったエッセイのひとつ『人生の贈り物』を今回読んだ。「毎年のように、去年より今年の私の方がずっといいと思いながら」生きてきた森瑤子が50歳迎えたばかりの頃に書いた愛用品をめぐるエッセイである。不思議な石、ベネチアン・グラス、モロッコの酒入れ、色ガラスの帽子、オランダの人形、インディアン・ドレスなどがでてくる。エッセイという形式は、書いた人の本音がストレートに出てくるので、私はよく読むことにしている。

「人の人生というのは、場所との出逢い、物との出逢い、人との出逢いから成り立つものだ」「ようやく時間の余裕もでき、それと同時にお金の余裕もできると、見えてくるものというものがあるのだ」「外国の街を歩く時、観光客の歩く速度ではなく、その街で働いているそこの人たちと同じ速度で歩くことにしている。これは街に溶け込み目立たず、安全な方法なのだ」「贈り物のもうひとつのパターンがあるのを忘れていた。自分のために手に入れて、大事にしているコレクションを、ふと思いついて「これをあの方に差し上げよう」という贈り方だ」

『森瑤子が残した 愛の美学』という本では、「結局、女にとって男とは、寝てみたいか、そうでないかの、二通りしかないのではないだろうか」と語っている。作家の宇野千代が、男を「寝た、寝ていない」と二分して人を驚かせたという逸話があるが、森瑤子の愛の美学を実践したのが宇野千代ということになるのだろうか。

行動を起こす人には、必ず事件が起こる。それはほとんどの場合、その人にふさわしい、その人らしい事件になる。いいこともわるいことも起こるが、起伏のある、華やぎのある人生になる。この考えには賛成だ。 

人生の贈り物 (集英社文庫)

人生の贈り物 (集英社文庫)