準備していると考えがまとまってくる。情報交換が次の行動を促してくれる。対話しているとアイデアが浮かんでくる。

多摩キャンパス。

・授業準備:学部・大学院。

・講演準備:準備していると考えがまとまってくる。

・高野課長:打ち合わせ。情報交換が次の行動を促してくれる。

・中村その子先生:教務の課題。将来展望。対話しているとアイデアが浮かんでくる。

・荻阪先生(客員):日経出版から出す4冊目の近刊の相談と報告を受ける。

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「名言との対話(平成命日編)」7月11日。岩田聡「人間は何を面白がるのか、何に驚くのか」

岩田 聡(いわた さとる、1959年12月6日 - 2015年7月11日は、日本プログラマHAL研究所代表取締役社長を経て、任天堂代表取締役社長。

北海道生まれ。東京工業大学卒業後、ゲーム開発会社ハル研究所に入社。ファミコン時代からゲーム開発に携わり、プログラミングを手掛け、社長を務めた後、40歳で任天堂に転職。2002年、入社2年目の42歳で任天堂中興の祖・山内社長から指名を受けて社長に就任。ゲーム人口の拡大を目指す方針のもと、5歳から95歳まで遊べるゲームをつくるという路線で集団指導で経営を行っていく。2004年、ニンテンドーDSを開発。ソフト『脳を鍛える大人のDSトレーニング』は「脳トレ」として流行語になり、社会現象にまでなる。2006年、1億台以上が売れた2006年のWiiを開発。これまでのゲーム愛好者とはまったく異なる層をつかみ任天堂を世界企業に押し上げる。

岩田は「プログラマーはノーと言っちゃいけない」と言い、未知の驚きや喜びを感じて喜んでくれるまで精進するのがプログラマーであるとし、人間を観察し続けて、試行錯誤を繰り返す。ゲームは景気変動の影響を受けない業界であり、驚きがない商品は、景気がいくら良くても売れない。やはり商品開発が命なのである。

ゲーム開発では、チーム内での数えきれないほどのやり取りの中でコンセプトが浸透し、共有され、商品に結実する。異なる部門が素早いキャッチボールを繰り返しながら、同じ目標、目標に突き進むことで、開発が成功するのである。優れた商品開発にはチームマネジメント、プロジェクトマネジメントが欠かせない。

岩田はゲーム開発者であることが天職だと信じていたが、会社の経営を任され、開発チームのマネジメントと会社の経営には多くの共通点があることがわかり、経営も天職だと思うようになった。「私の名刺には社長と書いてありますが、頭の中はゲーム開発者です。心はゲーマーです」と語っている岩田社長は、驚きを提供するのだから、お客様の要望を聞くことは無駄になるとの考えだった。いわゆるマーケはティングは不要であるということになる。

2015年現在の調査では、日本のゲーム人口は全体の人数は4336万人、スマホタブレット用ゲーム人口は3099万人。家庭用ゲーム機所有者は5,224万人、家庭用ゲームアクティブユーザーは3,200万人、家庭用ゲーム継続プレイヤーは1,539万人。大学生たちが熱中する姿を見ていると、途方もなく、未来がある業界だとの感を深くする。

ゲーム、広く娯楽産業は、人種や文化の違いといった壁を越えて、人間は何を面白がるのか、人間は何に驚くのか、という本質の探究を行っている業界でもある。岩田を頂点とするプログラマーたちの「人間とは何か」を探る中で得られた深い人間観察が数々のヒット商品を生み出したのである。1959年生まれの岩田聡の社長在籍のままでの55歳というあまりにも若すぎる死は日本と世界のファンに大きな衝撃を与えた。