知研東京で講演「SNS時代の知的生産の技術」--図解ウェブは空母である。

本日の夜は、代々木で知研東京のセミナー。

図解ウェブを縦横に使った私の「SNS時代の知的生産の技術」がテーマの講演。このテーマでの講演は初めてなので、気合いが入った。この講演のおかげで20年間のウェブ時代の思想と実験と成果をまとめることができた。図解ウェブは空母である。

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以下、アンケートから。

 ・知のジャングルに分け入った思いでお聴きしました。自分自身をビッグデータ化できるだろうか、大いに考えさせられました。自分自身というものの可視化、これは人生を賭けるに値するテーマになりそうです。

・「継続は力なり」と「発案の」の巨人として、驚かされました。少しでも近づけるようわたくしも努力したいと思います。自分をビッグデータ化する思想には力づけられました。自分だけでなく、子どもや後進にも役立つと思いました。検索と組み合わせれば、思考の節約と新たな発想の源になります。

ビッグデータの整理のやり方に感嘆しました。このデータがあるので、多くの著作が可能と分かりました。

・先生の「図解ウェブ」が細かく、かつボリュームがあることに敬服いたしました。「継続は力なり」は私も実感しています。しかし、これだけの内容を盛り込んだ「空母」はとても真似できません。連続5000日をなんとか追って参ります。現在、私のブログは4085日。

・図解ウェブが公開されていること、そしてそのコンテンツの豊富さに驚きました。先生の記録する意欲、整理する能力に感服いたしました。ブログ、HP等ゆっくり毎日拝見します。友人にも教えてやります。喜ぶと思います。

民族学文化人類学民俗学の手法。日誌、エスノロジー。記録を残し、整理し、体系化することが、人生を豊かにすると痛感いたしました。ワクワク、ドキドキ。

・個人のビッグデータでなければ役に立たない。まことに同感。しかしそれを蓄積してこなかった。残念!

・まず模範を示すのは自分からという、極めて真っ当、かつチャレンジングなメッセージでした。先生の取り組み自体、圧倒的な物量と質量の集積ですが、それも最初の一歩から、いつ始めても遅くはない、まず始めることだとのゲキだと感じました。遅咲きの時代、自分で作ります。

・自分もまだ若く、壮年期の1年だと、勇気をもらいました。今は教育関連の仕事なので有効なITツールを活用していきます。以下、目標。工夫した生産性の高い議論。図解の活用。自分史を積み重ねて創っていきます。

・知の刺激をうけました。予想通りで嬉しいです。私も1回だけ本を出すことができましたが、出版によってすべてを出し切ってしまったので、それ以降、知から離れていた気がします。また頑張りたいと思います。

・先生の歴史、考え方、夢、たいへん楽しく聞かせていただきました。お話を聞きながら、これはビッグデータだと思っていました。まさに先生のご経験とネットワークのビッグデータです。先生がますますお若いのは、ご自身がアタマとメンタルをいつも刺激させて生活しているからだと思います。

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午前は、学部の授業。

昼は、T-Studioで橘川先生との「トレンドウオッチング」の録画。未来学会。

午後の一番目は、事務局との定例ミーティング。入試改革。

午後の二番目は、BS多摩企画運営会議。多摩センターにエネルギー、、。

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「名言との対話」7月20日鶴見俊輔「潔癖な人は、幸福になることはできない」

鶴見 俊輔(つるみ しゅんすけ、1922年大正11年〉6月25日 - 2015年平成27年〉7月20日)は、日本哲学者評論家政治運動家大衆文化研究者。享年93。

政治家の父と後藤新平の娘の母との間に、長男として2番目に生まれた。姉は鶴見和子。11歳で不良。自殺未遂。精神病院入院。家出。父の計らいで渡米。ハーバード大に入学。結核。逮捕。帰国後は海軍勤務、腹膜炎で辞職。戦後、雑誌『思想の科学』の創刊に参加。京大人文研助教授、東京工大助教授を経て、同志社大学教授。小田実を代表にベ平連を結成。大学紛争で辞職。九条の会の呼びかけ人。こうやって鶴見の人生行路を眺めてみると、感受性と正義感が強く、生きにくい人だったのだろうと感じる。

都留重人丸山眞男らとともに戦後の進歩的文化人を代表する1人とされる鶴見の名前は私は知っていたが、本を読んだことはなかった。今回たまたま鶴見俊輔編『老いの生き方』(ちくま文庫)を読んだ。中勘助富士正晴金子光晴室生犀星幸田文串田孫一野上弥生子らの論考が並んでおり、「経験は、人生を狭くする」「老年の空虚さは、実人生の場から離れた、補給不足による」などが印象に残った。当時75歳の鶴見は冒頭の「未知の領域に向かって」という総括の小論を書いてる。この中で「潔癖な人は、幸福になることはできない」という処世術を披露している。理論をかざす教条主義を排し、毎日の一コマ一コマに興味をもち、日常生活の中で浮かんだ疑問を突きつめていくという生き方を貫いた人だ。鶴見は潔癖さの欺瞞を見抜いており、矛盾に満ちた人間という存在に愛情を持って接した人だと思う。論壇で活躍した人であり批判も多く受けたが、自分の頭で考え、自分の言葉で語った人であることは間違いない。

 

老いの生きかた (ちくま文庫)

老いの生きかた (ちくま文庫)