「2018年夏の世界--構造変化の確認」

寺島文庫リレー塾2018年後期が始まった。

統一テーマは「世界の構造変化と正対する日本の視座」。初回の本日は寺島実郎さんの「2018年名夏の世界--構造変化の確認」。

・「17世紀オランダからの視界」(「世界」連載中)は、2019年に単行本(上下)になる。歴史の鏡を磨く。知の再武装

・2018年7月の「ビッグヒストリーにおける人類史」(宇宙史から)。2108年9月の「グローバルヒストリーへの入り口を探って」(地球史から)。2018年10月の「アイスマンの衝撃」。

・モンゴル3部作:2018年1月「モンゴルという衝撃」。2018年3月「ロシア史における「タタールの軛」とプーチンに至る影」。2018年5月「大中華圏とモンゴル、その世界史へのインパクト」中華史の相対化。西洋史観・中華史観・モンゴル史観からの脱却。

・2500年前に宗教が出現。ユダヤ教から一神教であるイスラム教、キリスト教。インドのブッダ、中国の孔子

・2001年9月11日の「同時多発テロ」は転換点。20世紀はアメリカの世紀。21世紀に入りアメリカが世界を束ねる力が減少、その痙攣がトランプ現象。

・2008年9月15日の「リーマンショック」から10年。原油価格はマネーゲームによる乱高下。現在70ドルあたり。アメリカが世界一の原油天然ガス産出国。イランの増産。

・世界同時好況:世界3.9%成長。マイナス成長ゾーンは2017年から無くなった。米国2.9%と好調、欧州減速気味。米中貿易戦争、中東の混迷(イラン、イスラエル)で不安あり。0.5ポイント減速の可能性。日本は1.0。19年は0.9。20年は0.3(消費増税の影響)。

アメリカ経済の好調:西海岸シリコンバレーのGAFA+M。東海岸ウオールストリートのマネーゲーム。南部ヒューストンのエネルギー要素。食と農も万全(食糧自給率130%)。2016年1.5%、2017年2.3%、2018年2.9%、2019年2.7%。デジタルエコノミーGAFA+ M(株式時価総額4兆ドル)、中国のテンセント、アリババの0.9兆ドルでニューセブンシスターズで合計4.9兆ドル(545兆円)。石油メジャー4社で1兆ドルに過ぎない。プラットフォーマーズ。データリズム。

・株式時価総額で日本の上位5社(トヨタ・ドコモ・ソフトバンク三菱UFJKDDI)の合計で62.4兆円にしか過ぎない。2018年、トヨタ23.8兆円、ドコモ10.9兆円、ソフトバンク10.2兆円、、8位のキーエンス、。ファーストリテイリング5.2兆円、オリエンタルランド4.4兆円、日立3.8兆円、新日鉄住金2.1兆円、東レ1.4兆円。東レと日立は経団連会長企業。株価の高さの要因の一つはGPIF年金資金など公的資金の65兆円の投入。無ければ3割ダウン。もう一つが外資アメリカの出口戦略の金利上昇で日本の株に異変か。ジャパンリスク。

第四次産業革命=IT(平準化技術)XFT(金融)。デジタル専制。企業も個人もIOTへの対応が必要。知の再武装を。知の3段階:流動性知能(記憶力)。結晶性知能(課題解決力)。唯識性知能(意識・宗教。共感。利他)。

・中東:イランとトルコの巨大化。アメリカのイラクでの失敗による中東からの後退で100年前の昔の地図が出現。イランはペルシャの復活、トルコはオスマンの復活

・中国の強大化と強権化:6月12日の米朝会談で中国は北朝鮮に首輪をつけた。アメリカによる南北統一の直前に軍事介入の可能性。兄・叔父の殺害は中国の介入を恐れてのこと。朝鮮自治区の扱い。香港には民主化勢力はいなくいなった。台湾の統合へ向けて着々、エrサルバドルが断行・欧州唯一のバチカンが次か。残るは19ヶ国で外交的孤立へ。周金平の三期以降には正統性が必要。経済的実績と政治的実績(東アジア。香港・台湾・北朝鮮)。

原子力の技術基盤を持ちこたえられるか:廃炉にも専門家、技術が必要。中国は80基8000万キロワットを目指し、ロシアは原子力に重点で12ヶ国34期基を輸出。IAEAにおける中ロのプレゼンスアップ。アメリカはSMR(30万キロワット以下の小型原発)の方向。湯川秀樹「太陽エネルギーは核融合だ。原子力だ」。日本も本気で立ち向かうべきだ。国家が責任を持つべきだ。

・ジェロントロジー高齢化社会工学):異次元の高齢化は社会的コストの増大。高齢者の社会参画の設計。プラットフォームの形成。高齢者の責任。美学。新しいテーマ。仕事の質を変化させる。カセギからツトメへの転換。高度観光人材など、プロジェクトを一つづつつくっていく。 

 ------------------

大学にて。

・ミーティング:人事案件で宮地局長、杉田学部長と。

・高野課長、山本さん「ジャスダック上場企業の大学ランキング22位」。

・授業準備

-----------

「名言との対話」9月18日。立川孟美「人さまと恩ある御縁を得て、その都度いただく仕事をとにかく誠実にやろうとだけ思い、歩いて来たと思う」

立川孟美(1915年7月12日〜1997年9月18日)は、立川ブラインド工業創業者。

1938年、(有)立川工業所を創業。1947年、株式会社に改組し、立川ブラインド工業株式会社と社名を改称する。1964年 - 家庭用の間仕切り「アコーディオンカーテン」新発売。1982年6月 - 店頭市場ジャスダック)に株式公開。1987年10月 - 東証2部上場。2015年7月 - 東証1部に指定替え。「建築物内外の生活環境の改善による社会貢献」を経営の基本方針として、「より快適な居住空間づくり」のためにお客様の満足と厚い信頼を得られる製品開発を目指してきた

家庭、業務用のブラインドや天窓、ファブリック製品などを製造するメーカー。ブラインド最大手であり、アイテム数が多い。他には天窓、傾斜窓やロールスクリーンやラインドレープ、バーチカルブラインドなどのファブリック製品、アコーデオンカーテンなどの間仕切り、住宅用オーニング、カーテンレールなどを扱うが、採光、遮光という用途を持った商品に特化しているのが特徴である。多品種・短納期のオーダー生産にこだわりを持つ。

2017年度現在。売上高は、連結  401億577万円。業員数は、連結1168人。立川孟美は、1987年の東証2部上場までは存命。

冒頭の言葉に以下が続く。「それが良かったといえば、そういう事になる。強いて特筆に価する事は、私が一切の投機的な匂いの強い仕事には手を出さなかったことだろう。投機的行為は、父親の失敗でこりていた。地味でいい、着実な、汗を流せば成果が得られる仕事だけを手がけて来たという自負がある。私は、ブラインド以外は何も知らない。成功の秘密と問われれば、「ブラインド一筋だったから」としか答えようがない」。

立川孟美は、投機のような運に頼らず、人の縁を大事にして、汗をかきながら小さな仕事を誠実に仕上げ成果を積みあ上げていった。「ブラインド」という一つのテーマを真摯に追い続けた人の姿がみえる。