文庫リレー塾最終回は寺島塾長の「2019年 日本の進路」。

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午前:自宅で原稿執筆。

昼:荻窪日本地域社会研究所:『歴史と旅 歴代天皇総覧』『図説 歴代天皇紀』(松田書店)。

午後:九段サテライトで研究開発機構評議員会:インパクトサロン。社会的投資推進財団。新経済連盟。ソーシャルIPO。認知呼予防。技術安全保障研究会。安全保障経済政策支援(データのルール)。日豪戦略対話。長寿食。多摩市。日野市。現代文化研究所。志塾会・学部でのPR。

夕刻:オアゾ紀伊國屋で本を購入。堤未果『日本が売られる』。河合雅司『未来の年表2』。日下公人『発想の極意』。久恒啓一で検索したら78冊がでてきた。「100年人生の生き方死に方」は、「人生論」のコーナーにあった。

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夜:東京の日本工業倶楽部で文庫リレー塾。寺島塾長「2019年 日本の進路」。

アメリ中間選挙:上院は共和党、下院は民主党。ねじれ。

・トランプ現象による痙攣(スパズム)。「グローバリズムを拒否」。金融資本主義とIT革命が本質。

・世界経済の減速。長期金利上昇による株価乱高下と新興国リスク(トルコ・アルゼンチン)。アメリカの財政赤字の拡大(7800億ドル)、中間層減税で拍車。

加藤周一田中角栄は「戦争への怒り」と「中国への後ろめたさ」が共通体験。日本の人口:1900年4384万人、2008年1億2800万人(3倍)。2100年6000万人(半減)

・『ジェロントロジー宣言』。80歳で7割は健常者。支える側にするための参画のプラットフォームづくり。都市郊外型高齢化が問題。こくどう16号線上の団地族の高齢化。単身化進行中。食と農がない。宗教がない(魂の基軸がない。死生観がない)。

・常温社会(ぬるま湯)。驚くべき内向。勤労者世帯可処分所得は20年で年間70万円ダウン(1997年49.7万、2017年43.4万円。貧困化・中間層の没落)。全世帯家計消費は18年間で年間40万円ダウン。食1.0%ダウン・住17.7%ダウン・衣35.0%ダウン。増加は諸雑費・通信費・自動車関係費・医療保険サプリ。減少は交際費と小遣いで24万円ダウン、仕送り金・授業料(地域大学化)、教養・娯楽費、書籍。「学べなくなり、学ばなくなった」。内向化、保守化。21世紀の出入国:入国527万人から2800万人。出国1700万人から1789万人と横ばい、500万、若い女性と高齢者、壮年男子は出張のみ。

・常温社会。不満はないが不安がある。私生活主義。小さな幸せ。スマホ人生・モール人生・クーポン人生・皆と同じ行動。

・吊り天井の経済(71兆円の株価支援)。1%成長と低迷。株価は高い。ITビッグ5(GAFA+M)時価総額(476兆円)で圧倒。日立(経団連会長)3.7兆円。東レ1.4兆円はユニクロの6分の1。新日鉄オリエンタルランドの半分。

・日本はどこに立つのか。松本重治「日米関係は米中関係だ」。米中接近の悪夢。アメリカの親中国は親日の10倍の厚み。蹴り合いとこすり合い。日本はアンビバレント(複雑)な

・日本の状況。多国間貿易(TPP・欧州EPA)と戦前回帰のナショナリズム。複雑骨折。

・日本の基軸:戦後民主主義。成熟した資本主義国家。非核平和主義。技術を持った国。ものづくり。今後は具体的なプロジェクト(ジェロントロジーなど)に落としこんでいきたい。

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「名言との対話」11月7日。徳大寺有恒「クルマは買っても売っても損をする」

 徳大寺 有恒(とくだいじ ありつね、下はゆうこうとも読む)、1939年昭和14年11月14日 - 2014年平成26年11月7日)は、日本自動車評論家トヨタレーシングドライバー

タクシー会社のせがれ、初めての運転は中学生、高校では自動車の虜、成城大学時代の4年間は車に明け暮れた。卒業後は、トヨタレーシングドライバーになった。

徳大寺有恒というペンネームで1976年に自動車を批判して書いた『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)は正編と続編をあわせて合計120万部を売り上げ、二つあわせて1977年書籍ベストセラーの1位を獲得する。「コロナ=平凡さがとりえだが、エンジンが弱いのが泣きどころ/カローラ=可もなく不可もないクルマの代表/セドリック=俗悪趣味の傑作車/シビック=見せかけだけの新しさではすぐ飽きがくる」。こういった評価は自動車業界を震撼させ、緊張させた。毎年版を重ねて、ベストセラーの常連になる。自動車ジャーナリズムに決定的な影響を与えた本だ。「間違いだらけの」は社会の流行語にもなった。「今買うべきクルマから、電動化・自動運転化の未来まで。すべてがここにある」とする『2018年版』も出ている。

体験試乗は4000台以上であり、 自動社の性能だけでなく、車の乗り方、「助手席には女性以外は乗せない」ことを信条とした男の生き方、そして経済批評まで間口を広げた論評は、人気があった。

徳大寺によれば、名車は物語を持つクルマであり、背景にひかえる「世界」があるクルマである。日本にはなかなか名車は育たない。可能性のあるのは徳大寺の終(つい)のクルマであるクラウンだが、その物語はまだできていないという。

 生涯で所有した車は100台。ロールス・ロイス、ベントィー、フェラーリ、ポルシェ、ジャグァー、アルファロメオメルセデス・ベンツフォルクスワーゲンシトローエン、、、。借地に常に数台をとめる生活だ。常に買い、常に売るから、損の連続だから、カネはいくらあっても足りない。しかし、没する1年前に書いた自伝『駆け抜けてきた』では、「大好きなクルマに乗って、原稿を書き、そして大好きなクルマを購入し、ともに暮らしてきた。一緒に駆け抜けてきた」と「たかがクルマ」に賭けたクルマ人生を総括している。一人の生涯が「○○人生」と一言で呼ばれる幸せがここにある。

 

駆け抜けてきた: 我が人生と14台のクルマたち