「何になるか」はパンの問題である。、、、「どう生きたいか。どんな人間になりたいか」は魂の問題であるーー「三浦綾子 366のことば」より

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 多摩センターの丸善で、母親の著書『万葉歌の世界』を発見。

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 今日の収穫『三浦綾子 366のことば』。

・言葉は、ある時一度共鳴すると、長いこと心の中に住みつくものだ。

・言葉は人格の所産である。

・人間の言葉は、本来おざなりであったり、真赤な虚偽であったり、裏切りであったりしれはならないのだ。人を力づけ、慰め、励まし、希望を与えるものでなければならない。いつもそのような真実な言葉を出せたらと思う。

・言葉は生きものなのだ。心に撒かれた言葉は、どんな形にか成長する。悪い言葉は悪い実を、よい言葉はよい実を結ばせる。

・すなおとは、真理に従順であるということである。

・「何になるか」はパンの問題である。、、、「どう生きたいか。どんな人間になりたいか」は魂の問題である。

・人間は「何になるか」を考えるまえに、まず、「どのように生きるべきか」を考えるべきではないだろうか。

・成功者というのはな、自分がなりたいと思った者になれたら、それで成功者だ。

・自分でえらんだ道を歩くことは、快いことだよ。だが、思いもかけない道を、立派に歩むことは、さらにすばらしいことかも知れないよ。

・失敗を恐れて何もしない人間こそ、全生涯が失敗となる。

・人間にはな、なくてはならない存在とされることが、一番うれしいのです。

・わたしは夢がかなうかどうかというよりも、夢を持ちつつ生きることが尊いと思うわ。

・今日を喜べぬ人間は、一生を喜べぬ人間なり。今日を愚痴る人間は、生涯を愚痴る人間なり。

 三浦綾子366のことば

三浦綾子366のことば

 

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「名言との対話」12月16日。桂信子「表現は平明に、内容は深く」

桂 信子(かつら のぶこ、1914年11月1日 - 2004年12月16日)は、大阪市出身の俳人

1938年、女性のエロスを主題とした句や無季俳句で新興俳句運動を主導した日野草城主宰の『 旗艦』」を知り投句。1939年、桂七十七郎と結婚。1941年、夫が喘息の発作のため急逝。 1949年、草城主宰の『青玄』創刊に参加。1954年細見綾子加藤知世子らと「女性俳句会」を創立、1970年、『草苑』を創刊、主宰。

2010年、財団法人柿衞文庫によって桂信子賞が創設された。俳句に功績のあった女性俳人に授与される。 「俳句創作に加え、地道な研究活動を怠らなかった女性俳人・桂信子を顕彰し、女性俳人の活動のさらなる発展を願って、柿衛文庫が創設した賞」だ。第1回受賞者は「日本列島桜花巡礼」を発心し、30年かけて全国の桜を巡り「桜」俳人としても知られる黒田杏子だ。黒田はテレビ「クレパト」では、俳句ブームを起こした夏井いつきが尊敬する俳人である。

りんご掌にこの情念を如何にせむ  紫蘇しげるなかを女のはかりごと

窓の雪女体にて湯をあふれしむ   賀状うづたかしかのひとよりは来ず

外套のなかの生ま身が水をのむ   ゆるやかに着てひとと逢ふほたるの夜

27歳で寡婦となり、以後会社員として自活する。苗字は嫁ぎ先の桂を名乗ったままだ。56歳の定年で辞めて、自ら主宰する『草苑』を創刊する。それから34年の歳月があり、寡婦としての喜怒哀楽を詩情ゆたかに詠んだ。「夫を失い師が逝かれ、母が亡くなり続いて唯一人の兄が逝き、昨年末は長い間共に過した義姉も他界した。あとは俳句だけになった。俳句は自分のよみたいようによむしかない。(略)俳句は唯一私の心のよりどころである。私にとってそれ以外の何物でもない」。そういった心情を読んだ「父も夫も師もあらぬ世の寒椿」には心を動かされる。

 1977年、第1回現代俳句協会賞受賞、『新緑』で現代俳句女流賞受賞。1992年、第8句集『樹影』で第26回蛇笏賞受賞。同年第11回現代俳句協会大賞を受賞。2004年、第10句集『草影』で毎日芸術賞

第4句集『新緑』以降の句集では自然をさりげなく視野においた句を多く収めるなど、平明な表現のなかにたたえられた滋味を感じさせる奥行きの深い作風となった。その成果は60代以降の、以上に掲げた数々の受賞に結実している。