午後はサテライト入試。夜は「いだてん」、「古典芸能への招待」は能「卒塔婆小町」。

サテライト入試二日目。本部詰め。

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・20時からNHK大河ドラマ「いだてん」。役所浩司演ずる加納治五郎に私の母方の祖父は東京高等師範学校で学んだ。あの時代に生きた人だということでこの番組に親しみが湧く。

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・21時から23時まで。NHK教育「古典芸能への招待」。能「卒塔婆小町」を見てしまった。喜多流人間国宝友枝昭世の至芸に魅入った。平安時代恋多き女歌人小野小町が百歳の老女の姿で描かれる大曲だ。2018年11月に国立能楽堂で演じられた。ワキ、ワキツレ、シテ、鼓、、、。

高野山の僧が都へ向かう途中、道ばたの朽ちた卒塔婆に腰を下ろして休んでいる老女に出会う。僧は、仏体そのものである卒塔婆に腰を下ろすとは…と、ほかの場所で休むように話すが、老婆は僧の一言ひとことに反論し、仏も衆生も隔たりはない、と説き砕く。僧は老婆の説法を恐れ敬い、三度の礼をする。そして名を尋ねると、それは百歳になろうとしている小野小町であった。才色兼備で世の男性を魅了した小町も、今は破れ笠に乱れた白髪の憐れな物乞い。しばらく身の憐れを歎いていた小町だが、突然様子が変わり「小町の元に通おう」と叫ぶ。不審に思い僧が問うと、それは小町に憑いた深草四位少将の怨霊であった。昔小町を慕い九十九夜通い詰めながら、ついに思いを遂げずに死んだ少将の怨霊は、生前の百夜通いの様を繰り返すのだった。」

人生100年時代もからみ、問答の言葉の魅力に負けて、2時間見てしまった。

 

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「名言との対話」1月27日。室伏稔「1つの目標 2つの信念 3つの基本姿勢」

室伏 稔(むろふし みのる、1931年9月22日 - 2016年1月27日)は、日本実業家伊藤忠商事社長。日本政策投資銀行社長、日本貿易会会長を務めた。

日本経済新聞室伏稔の「私の履歴書」は、ビジネスマンが共感を覚えたようでよく読まれた。

大本営参謀で上司であった瀬島龍三から日常業務で指導されたのは、「報告書は必ず紙1枚にまとめる」「結論を先に示す」「要点は3点にまとめる」であった。どんな複雑なことでも要点は3つにまとめられる」が瀬島の口癖で、物事の本質を見極め整理する習慣を身につけさせてもらった。そして「用意周到、準備万端、先手必勝」という姿勢で徹底的に準備をしてから事を始める、相手に先んじることが必勝への道という教えを受けた。

「企業は建物でも、決算書でもない。人である。人と人がつくる社風こそ企業を支える無二の資産でありそれが企業を発展させたり、衰退させたりする」という考えの 室伏は社長就任時には、「各人は必ず、Agenda(課題)を持ってほしい。すなわち、自らに課題を与え、Nothing is impossible の精神でやり遂げてほしい」と語り、「1つの目標。2つの信念。3つの基本姿勢」を打ち出した。

1つの目標とは「国際総合企業の実現」。2つの信念とは、「Why not ?」「Noting is impossible」(なせばなる))「More Like CI」(より伊藤忠らしく)。3つの基本姿勢とは「グローバルな視野に立った経営」「総合力を発揮する経営」「やる気の出る経営」である。

室伏稔はトップに立った時に、「1つの目標 2つの信念 3つの基本姿勢」というわかりやすいメッセージを発して現場を鼓舞した。用意周到に考え抜ういた上で、要点を3つにまとめる、というビジネスの修羅場で学んだ姿勢を貫いたのであろう。

後任社長の 丹羽宇一郎の「清く、正しく、美しく」、そして小林栄三の「Challenje,Create,Commit」も奇しくも3つの言葉を並べたものだ。瀬島龍三の影響を受けた人々が織りなす、活性化した伊藤忠商事の社風の継続をみる思いがする。継続は勢力を形成していく。