「図解アルチザン」、再決起集会。

多摩大大学院で私の授業を受けた社会人たちで構成する「図解アルチザン」のメンバーの祝宴。2008年に多摩大に着任した年から出版プロジェクトを展開してきた。

『図解 資本論』(イーストプレス。2009年)。『40文字でわかる! 知っておきたいビジネス理論』(電子書籍ごまブックス。2013年)。『40文字でわかる! 知っておきたいビジネス理論』(PHP。2014年)。『40文字でわかる!今さら聞けないあの企業のビジネス戦略』(電子書籍。2016年)。以上4冊を刊行してきたが、なかには電子書籍ではベストセラーになったものもある。期せずして、今夜は「図解アルチザン」の再決起集会となった。

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 いただいた色紙。

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 いただいたクロスのボールペンと金のゴルフボール。

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「名言との対話」3月19日。加藤馨「急成長したら会社の寿命が来てしまうから、ゆっくり大きくしなさい」

 加藤 馨(かとう かおる、1917年5月5日 - 2016年3月19日)は日本実業家。株式会社ケーズホールディングス創業者。

陸軍士官学校、陸軍航空通信学校教官。戦後公職追放。1947年に茨城県水戸市で加藤電器紹介を創業。現在では家電量販店チェーンの(株)ケーズホールディングスとなっている。家電、パソコン、携帯電話などの品ぞろえを絞っている。創業の「電気」に徹するという方針を守っている。1980年代の北関東のYKK戦争(ヤマダ電器。コジマ電器、ケーズ電器)は有名だ。

加藤馨は独特の経営哲学の持ち主だった。「人件費を削ってはいけない」。「会社は単純なほど大きくなれる」など、名言は多い。

「歳をとった人間がいつまでも社長でいてはいけない」という言葉もある。1982年、加藤馨は65歳で社長を長男に譲り会長に退き、70歳で会長を退き相談役となった。ケーズデンキは創業者の考えを大事にした。長男の加藤修一は、65歳で社長を退任、70歳で会長を退任し相談役。そして2017年には、59歳の社長が誕生し、加藤家からは取締役がいなくなった。老害を嫌う創業者の精神を引き継いでいる。

ケーズデンキは「がんばらない経営」という方針のもと、1969年から1999年までの30年間は年率25%の成長だったが、それでも急激に大きくなるのを抑えていた。反動がこないように、余裕をもって、他社の動向に惑わされずに、やるべきことを、じっくりとやっていった。こういった堅実経営は、同業他社からも評価され、フランチャイズの仲間が増えている。2018年現在で、グループで売り上げは6791億円、営業利益227億円、経常利益366億円にまで到達している。売り上げは少ししか伸びていないが、営業利益、経常利益の伸びが大きい。これをみても、じっくり成長していることがわかる。

私も自宅の周辺にあるケーズデンキによく行くが、店員の商品知識が豊富でファンになっている。そういった店舗を運営する背景には、創業者・加藤馨の創業の精神、経営哲学、経営方針があるとうことを知った。企業は生きものであり、命が宿っている。起業を含む組織にはDNAが大事だということを改めて思った。