「知研フォーラム」344号が届くーーセミナーレポートが充実。

 

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「知研フォーラム」344号:77p。セミナー録が充実。3月久米さん、4月の井上さん、2月の小野さんのセミナーの抄録。久米信行「SNSで知的生産を!脳のパラボナ力とズームを高めよう」。井上貴美子「102歳の平穏死」。小野恒「前立腺がん患者が放射線治療法を選択した理由。を書くまで」。

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朝:ヨガ。昼:京王プラザホテル新宿で菊地さん(税理士事務所)と昼食を食べながら報告を聞く。午後:地研。

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「名言との対話」6月4日。加藤朝雄「店を閉めるということは、儲けなくてもいいということや。これまで以上に儲けた分、売上げはすべて店長や店員で分けなさい」

 加藤朝雄(1924年7月10日〜1993年6月4日)は実業家。王将フードサービス餃子の王将) 創業社長。 

 創業時の目玉商品である一人前6個のボリューム感のある焼き餃子は「安い、量が多い」のが特徴で学生や肉体労働者に受けた。それに「おいしい」が加わる。そして「早い」も加わっていく。今では、日本中どこでも看板をみかけるようになった。 

 加藤には意外なところがある。高等教育段階でのアジア諸国からの留学生に、継続的に奨学援助を行いたいと考えていた。加藤が生前に構想し、具現化を望んでいたもので、その遺志を受け継ぎ、財団法人加藤朝雄国際奨学財団が設立されている。 愛知学院大学大阪商業大学大阪大学大阪府立大学関西学院大学京都外国語大学京都工芸繊維大学京都市立芸術大学京都大学神戸大学立命館大学龍谷大学が指定校だ。毎年10数名が対象になっている。

加藤の妻の弟である大東隆行が中学卒業後に「働きながら勉強したい」と直訴すると、「俺のところで働け。そこから経理学校に通えばいい」「王将をチェーンにする。お前は経営の勉強をしろ」と援助をする。大東は独立後8年を経て、加藤のもとに参加する。後に大東は70億円の負債を抱えた経営危機を乗り越え、復活させた。この大東が2013年12月の王将社長射殺事件にあった人物である。

王将フードサービスは2019年3月末現在で、売上高816億38百万円、従業員2,209名、直営店舗516店舗(海外2)とFC213店舗の計729店舗、という堂々たる企業になっている。

「、、これまで以上に儲けた分、売上げはすべて店長や店員で分けなさい」は、創業3年目の経営危機で会社を畳もうとしたときの加藤の発言である。この言葉に奮起したスタッフの頑張りで加藤朝雄は窮地を脱している。天正10年6月(西暦1582年6月-7月)中国の備中高松で毛利氏と戦っていた豊臣秀吉が主君信長が光秀に暗殺されたとき、素早く講和すると同時に金庫の全財産を将兵に分け与え、全軍の志気があがり、見事に敵を討ったという「中国大返し」の逸話に似ている。勝負をかけるときには、すべてをなげうって、挑む姿が未来を引き寄せる。

なぜ、人は「餃子の王将」の行列に並ぶのか? (プレジデントムック)

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