リレー講座:寺島学長「世界宗教への視座」。

リレー講座:寺島学長「世界宗教への視座」。

  • 時代認識を深める。知の再武装。知は時代認識で歴史の鏡を磨く。特に日本人の欠陥ともいうべき近代史。
  • 「1900年への旅」は5年連載。優れた人には必ずくる「中年の危機」。使命感と出会いで乗り切っている。覚悟と気づき。どちらも時代認識と感受性が必要だ。
  • 「問いかけとしての戦後日本」は2007年から2010年。未完で、3・11のにより引き起こされた原子力の一位置づけ。
  • 「17世紀オランダからの視界」を連載中。後1年半はかかる。デモクラシー(民主主義、連邦共和国プロテスタント独立戦争)、資本主義(オランダ東インド会社)、科学技術(デカルト、)、文化(レンブラントフェルメール)など近代の揺籃。。中国の明から清への混乱期のため鎖国を断行できた江戸期の日本への影響。浮世絵、銭、暦など「からごごろ」から「やまとごころ」への時代にオランダの存在は大きかった。儒学国学蘭学
  • 20世紀とは何か。戦後日本とは何か。近代とは何か。これを追いかけてきた。この連載は、ライフワークになりつつある。西洋史観、中華史観、モンゴル史観でもない、グローバル史観。グローバルヒストリー(地球史)、ビッグヒストリー(宇宙史)。生命科学、人類史、、、。トータルパッケージの世界史が必要だ。
  • 世界宗教の淵源」。社会科学として追う。民族宗教から世界宗教へ。仏教は無神論の柔らかい宗教、釈迦の内面をみつめる小乗から日本の大乗仏教への発展、加上の宗教、自灯明・法灯明。キリスト教ユダヤが源流、パウロが創始。イスラム教はキリストは預言者の一人という位置づけ。ここにキリスト教との近親憎悪の源がある。世界宗教の共通点は「利他愛。慈悲愛」。儒教の本質も恕(ゆるし)。秋以降は、日本仏教を研究。その後は、宗教という聖なるものから、俗なるものである「貨幣」の研究へ進む予定。
  • 今、なぜ宗教か?。宗教とジェロントロジーの関係。登戸の51歳の無差別殺人。流山の43歳の10歳児童虐待死。多摩相模原の25歳の施設入居者の無差別殺人。柏市での37歳が母と一緒に妻を殺した事件。国道16号線の団地、ニュータウン、マンションのベッドタウンで起こっている事件。引きこもり、虐待は個室の中でのできごと。プライバシーのなかったときの日本では起きない、戦後日本の特殊性の中で起こった時間。心の所在の迷走。農耕社会から自立自尊の近代化への脱皮で失ったものがある。食と農、そして宗教がない。西欧には教会がある。私生活主義は孤独感と寂寥感を生んだ。思想と宗教が重要になってくる。

 

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 9時半から11時半:「こえラボ」の岡田社長と「ビジネスに活かす 偉人の名言」の7月放送分の収録。毎週月曜日。

  • 佐藤栄作「問題は何といっても一つ一つ対策をたてて実効あらしめる事、議論ではない」。総理大臣。日韓基本条約沖縄返還。歴代総理の話題も。
  • 北里柴三郎「終始一貫」。医学者。日本医師会初代会長。新千円札の顔。
  • 小倉昌男「論理的な思考とは、物事をシンプルに考えることにほかならない。シンプルな論理思考を心がけることだ。物事をできるだけ単純に考えることが、真の目的に到達する近道なのである」。宅配便の父。ヤマト運輸創業者。
  • 宇野千代「病気の話をするのはやめにしましょう」。作家。99歳。

12時20分:多摩大総研ミーティング:松本、長島。

14時20分:寺島学長への近況報告:地域知研は沖縄、九州、宮島、東北、北海道に新設、従来活発だった関西と岡山も含め全国展開完成。2020年の知研50周年企画。図解の集大成企画。宮城大のOBの動向、、、、。

14時40分:知研の高橋副理事長来訪:情報交換

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・ジム:ストレッチ、ウオーキング35分、筋トレ、ストレッチ、バスの2時間コース。NHKの聞き逃し配信「新日曜名作座」(西田敏行竹下景子)の「ことことこーこ」(阿川佐和子)第4回、と「ラジオ版 学問ノススメ」で国立科学博物館イカ・タコ研究者の話を、アイフォンで聴きながら。

・自宅のテレビ:木曜日は「プレパト」で俳句を楽しむ。

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「名言との対話」6月13日。浜田糸衛「孤独なひとたちを、いつも同伴者(みちづれ)として生きることが、人間の道をふみまちがえないですむ」

浜田糸衛(はまだいとえ。1907年7月26日-2010年6月13日)は、 童話作家童話作家、女性運動家。享年104。

高知県吾川郡生まれ。1924年高知県立第一高等女学校卒、26年京都市立三条隣保館職員。30年読売新聞の懸賞小説に入選、31年小説『雌伏』を春秋社より刊行。33年上京し生田長江に師事。奥むめおのセツルメントで働く。戦後は日本女子勤労連盟委員長、日本婦人団体連合会事務局長。コペンハーゲンでの世界婦人退会に出席し、ソ連、東欧、中国を歴訪した。戦後初期の女性運動家の黎明期を生きた。平塚らいてうを支え、婦団連事務局長として活躍。日中平和友好運動に一貫してかかわった。

浜田糸衛は「金の環の少年」「豚と紅玉」「あまとんさん」。「野に帰ったばら」という4編の童話を書いている。

「あまとんさん」は、南国の太陽の下、生き生きと遊ぶ自然児あまとんさん。お転婆だが純粋な少女の生き方が、読者に潜む〈子どもの心〉を鮮やかに甦らせる。ほうかい屋、富山の薬売り、お遍路さん、飴売りなど、大正期の風物も楽しい童話だ。

「金の環の少年」を読んだ。 土手の下から数十羽のスズメが、右太におどろいて、パッ、パッとむこうの田んぼへとんでゆく。右太は、もうろうとした頭でスズメのあとを追っていた。つぎつぎとスズメは一群となってにげてゆく。(どれが、母ちゃんかな)(父ちゃんは太ってるんだべな)(左太兄ちゃんは、どこにいるんだべ)右太は自分がむちをふりもしないのに、スズメが申しあわせたようににげてゆくのを、ふしぎな目で見おくっていた。そこから物語は始まる。

第七章「山の火祭り」。「母さん!、、この世がよくなるように、善くしようと学び、つとめているおです。それは他人(ひと)のためばかりではなく、自分のためでもあるのです。、、、自分でできることの道を、誠をこめて歩いてゆくことです。、、、他人とは、つまるところ自分のことです」「母さん、生きているものを殺すことは、おれには、とてもつらくてできない。だから、人間が人間を殺す、戦争などしてはいけないのです、戦争は、まともな人間の心をくるわせます」

終章「新しい道」は、「孤独なひとたちを、いつも同伴者(みちづれ)として生きることが、人間の道をふみまちがえないですむ」という主人公の祖父の言葉で終わっている。この童話は、乱暴な少年の成長と心をのぞく物語になっている。浜田糸衛は「人間の道」を追い続けた104年の生涯であった。

金の環の少年 (現代の文学)

金の環の少年 (現代の文学)