勁草塾「文庫カフェの会」で、中林美恵子先生の「トランプ大統領再選への道のり」を聞く。

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18時半:九段の文庫カフェの勉強会に参加。一般社団法人勁草塾「第文庫カフェの会」。講師は早稲田大学中林美恵子教授。テーマは「トランプ大統領再選への道のり」。1時間半。

モンゴル旅行でご一緒した主宰の斎藤勁先生から秋にこの会での講演を頼まれているので、雰囲気を偵察する意味で参加。まず斎藤先生に挨拶し、テーマについての相談。法政大の下斗米先生とも挨拶。

30名近い会員。私の前後左右と始まる前に挨拶、政策アドバイザーの下道直紀さんは九大卒で大田昌秀秘書、斎藤勁秘書、田中直紀政策アドバイザーの経験者で話が弾む。毎日新聞の上野央絵編集委員、ジャーナリストの目黒博さん、村山首相談話を継承し発展させる会の藤田高景理事長(村山首相の秘書)。

以下、セミナーの要点。

  • 有権者の56%がアメリカは貿易相手国に搾取されていると答えている。仕事を奪うのは中国が48%で以下メキシコ9%、ドイツ8%、日本8%。アメリカ議会は201年度国防権限法を成立(ZTEやファーウェイの禁止。買収・合弁審査を強化。環太平洋合同演習への中国参加禁止、孔子学院の資金提供制限)は上院下院とも圧倒的賛成。アジア再保証推進法は上院下院とも全会一致で可決。5月29日ロシア疑惑でモラー特別検察官声明「潔白は確信できず」。世論調査ではトランプ不支持5割不支持は4割以上。共和党支持者は9割がトランプ支持。景気が良くなっているという層は47%と増加。議会の仕事ぶりには不支持者が多い。オバマケアは不支持が圧倒的だったが近年逆転し高い支持。2018年中間選挙民主党は女性議員、黒人、ラテン系、ネイティブアメリカ人、イスラム教徒、ヒスパニック、軍歴者など登場させた、キーワードは多様性。キリスト教福音派は人口の4分の一で共和党支持率が75%。移民の割合13%、そのうち4人に1人は不法滞在者。大統領選の民主党候補ではバイデン35%、サンダース17%、ウオーレン9%、ブッティンギー6%。トランプとの比較ではバイデン47%トランプ40%、サンダース44対41。バイデン76歳、サンダーズ46%、ウオーレン69歳、ハリス54歳、ブッティンギー37歳(同性愛者).
  • トランプ大統領:公約実施「税制改革」「米韓FTA」「NAFTA再交渉」「パリ協定離脱」「TPP離脱」「イラン核合意破棄」。実行中「メキシコン国境の壁」「日米FTA」「対中国通称問題」。未実施・失敗「オバマケア廃止」「インフラ投資」。
  • 6月末のG20首脳会議「地涌貿易の推進役たりえるか?」「アメリカを的確に誘導できるか?」がテーマ。
  • 中国への警戒感は根強くある。大学にもシンクタンクにも資金提供。警戒感が表にでてきた。アメリカは分断。景気の良さがトランプを応援。

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・10時40分:ビジネスコミュイケーションの8回目の授業。本日のテーマは「図解文章法」。終了後のアンケートでは「スラスラ書けた」という声も。

・ラウンジ:杉田副学長から近況。高野課長と懇談。

・昼食は橘川さんと蕎麦屋。斬新なアイデアをいくつももらう。面白くなりそうだ。

・15時半:仙台の岩澤さん。力丸さん。新プロジェクトの相談。

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 「名言との対話」6月14日。西江雅之「世界は多数、地球は一つ」

 西江 雅之(にしえ まさゆき、1937年10月23日 - 2015年6月14日)は、日本の文化人類学者言語学者

小学校時代にはNHKの素人のど自慢に出場し入賞する。日劇で『鐘の鳴る丘』に出演し、「鐘が鳴りますキンコンカン、、」を歌う。

子ども時代は野外で一日中過ごし、野性動植物や昆虫を食べていた。猫になりたかった西江は猫的生活を送る。その身のこなしが早大高等学院体操部で生きる。器械体操の東京地区高校大会にて鉄棒で1位となり、全種目総合でチャンピオンとなった。

早稲田大学政経学部3年の時、早大生たちによるアフリカ大陸縦断隊に参加。意思疎通の必要からスワヒリ語を研究し、日本最初のスワヒリ語の専門家となる。20代で日本初の「スワヒリ語辞典」を編む。

早稲田大学政経学部、学士入学で文学部英文科を卒業。大学院では芸術学専攻修士課程修了する。大学院時代はライシャワー大使の娘の家庭教師を務めた。その後フルブライト奨学生として渡米し、カリフォルニア大学ロサンゼルス校大学院アフリカ研究科で学ぶ。 40歳まで定職はなかったが、東京外国語大学助教授、早稲田大学文学部教授を歴任した。

この人間大好きの天才は世界中を旅しているのだが、荷物はビニール袋一つだった。中には財布、パスポート、読みかけの本、ノートと筆記用具だけだった。「新聞の1面を見て、自由という単語が5つあったら、不自由な、自由のない国」とも言う西江は旅が住み家であった。

「異文化理解とは、アキラメと妥協。相手と同じになることではない」と語り、「所詮人間は同じ。笑ったり泣いたり怒ったり。あり方がチョボチョボと違うだけ」であり、世界には4000から8000の言語があるように多様ではあるが、やはりみな地球人だという世界観だった。名前は知っていたが、このような奇人、天才とは知らなかった。興味が尽きない人物だ。 

旅は風まかせ (中公文庫)

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