上野。「丸山応挙展」と「伊庭靖子展」。

雨の中、上野で美術館を訪問。

東京芸術大学美術館で「丸山応挙から近代京都画壇へ」展。やまと絵、中国画の名所絵、山水画から、実際の場所を訪ね、臨場感をもって風景画を描く方法論と描写力を引っ提げて18世紀に登場し、画壇を一色に染めた革命児。その軌跡と作品を堪能した。丸山応挙は1733年生まれ、1795年に死去。夜に見たテレビで、幽霊に足がないのは応挙以降ということを知った。

東京都美術館で「伊庭靖子展 まなざしのあわい」。触れたくなるようなモチーフの質感、クッションや器物がまとう光を描く画家。版画、油彩画、そして写真をもとに描く作品へと進化する画家。伊庭靖子は1967年生まれ。

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夕刻のジム:ストレッチ、ウオーキング30分、筋トレ、ストレッチ、バス。

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 「名言との対話」8月23日。森シノ「最高齢女子アナミュージアム構想」

森シノ(1903年11月9日ー2015年8月23日)は、世界最高齢女子アナ。

2001年に開局した熊本県のインターネット放送局・天草テレビは、天草弁をしゃべるおばあちゃんを女子アナに起用している。初代のアヤちゃん(広田アヤ・1918〜2004・享年85)、2代目・ツルちゃん(黒川ツルエ・1916〜2012・享年95)、3代目・シノちゃん(森シノ・1903〜2015・享年111)と続き、4代目のふみちゃん(田尻冨美子)は「元気最高齢女子アナ」として活躍中で、パナソニックのCMで綾瀬はるかと共演したり、コーヒーの通販番組やNHKのドキュメンタリー番組「本当にあった幸せ物語」にも出演している。

この女子アナの番組はドイツ、韓国、フランス、そして中東のアルジャジーラでも紹介されている。東久邇宮記念賞なども受賞している。合併後の税金問題、水道料金20%アップ、健康保険料の上昇、介護保険4倍、そしてハコモノ批判、市長批判などを高齢アナが取り上げているのには驚いた。「ほのぼの」「シュール」などの視聴者の声も文字で流れている。批判精神が旺盛なジャーナリズムだと感心した。そして地元の方言をしゃべるおばあちゃんをアナに起用するなど、このテレビの企画力は素晴らしい。

2008年の麻生総理との対談・インタビュー番組をユーチューブでみた。森シノ106歳、黒川ツルエ92歳、そして麻生総理は68歳だ。超難聴の森シノには80歳の息子が付き添って通訳。総理からは、高齢でも元気に働くことはいいことだ、65歳上の85%は元気だ、などの発言があった。また、天草四郎に関する施設などキリシタン遺跡という資源を活用するために、イタリア語などの標識を使って観光面でアピールしたらいいとの具体的な提案もなされている。

森シノは102歳でデビューし、長く現役をつとめ、2015年に老衰で亡くなった。単なる長生きということではなく、森シノのように100歳を超えて現役でいる人の実際の姿は人々に勇気を与える。

2016年に天草テレビは廃校や古民家を使った「最高齢女子アナミュージアム」構想を発表し、クラウドファンディングでの募金を発表している。これが実現すれば、新たな観光資源となるだろう。実に面白い。