リレー講座:金美徳先生「朝鮮半島をめぐる国際関係と日本」ーー分析と処方箋

リレー講座。金美徳先生「朝鮮半島をめぐる国際関係と日本」。

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日韓:領土(竹島)。歴史(慰安婦・徴用工)。経済(輸出規制)。安保・(GSOMIA)。日北:核・ミサイル。拉致。日中:歴史。台湾・経済。安保。

日ロ:領土。安保。

関係が良好なのは、中ロ・ロ北・中北関係。主導権は中ロ朝に安保連携が優勢になった。日米韓はひび割れ。

日韓:日韓基本条約(1965年。3.5万ページ)。しかし非公開部分あり、解釈が違う項目もある。あいまいなところが残っている。

韓国民は日本と日本製品が好き。政権は日本が嫌い、国民が好き。

慰安婦問題:70年間双方とも触れてこなかった。ベトナム戦争時韓国は慰安婦を送った。軍国主義の問題でもある。

徴用工問題:個人補償問題あり(未払い賃金、、)。

併合条約は合法・違法の見解はあるが、道義的責任はある。

現在:日韓、日朝、南北、米朝はうまくいっていない。しかし政権が変わると動く可能性もある。処方箋:1:日韓基本条約を再考する。補強、確認、紛争解決条項を使う。2:小渕首相時代1998年の日韓共同宣言(公文書)にのっとる。3:金大中大統領「過去をにらみつつ未来を考えていく」

北朝鮮の非核化:政治的には可能だが、技術的には不可能。24か所、1.5万人。次の米朝首脳会談に向けて歩み寄っている。

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総研:松本先生。来週の研究開発機構評議員会の資料。総研の経営問題。客員の活用。

高橋さん:野田先生。京都知研(4月12日)。知研50周年企画。

電話:八木、柴生田、富田。

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「名言との対話」10月31日。山崎朋子「自分が生きた証をこの世に残すには、みずからの「心を刺した」主題を、その望み選んだ形において実現するしかないだろう」

山崎 朋子(やまざき ともこ、1932年1月7日 - 2018年10月31日)は、女性史研究家、ノンフィクション作家

 ラジオの文化講演会で講演を聴いて興味を持った人。この本を読んでその生き方に感心した。『サンンダカン八番娼館』という映画は観たことがあり、小説も読んでいる。 山崎朋子『サンダカンまで わたしの生きてきた道』(朝日文庫)を読了。

1954年女優を目指し上京。朝鮮人 青年との恋、暴漢に顔を切られる事故、結婚、出産を経て女性史研究の道を歩む。波乱の自分史だ。1966年、34歳『日本の幼稚園』で毎日出版文化賞。1973年、41歳『サンンダカン八番娼館』で第4回大宅壮一ノンフィクション賞。1980年、『光ほのかなれども--二葉保育園と徳永恕』で日本保育学会賞。

「自分のテーマ」を追う「自分の会」をつくる決心、そして勉強法が参考になる。

上 笙一郎(夫)「自分で学びとろう」という姿勢が一番大事。書くことが最大の勉強になっている。良い修行になる」。自分のテーマ「アジア女性交流の歴史を掘りおこす仕事」を題材に自分で学ぶ。(独学で学ぶ態度)

尾崎秀樹(ほっき)「そういう会はどこにもないですね。、、、自分でつくりなさい。人数はどんなに少なくても良いから。それが、一等良い勉強になりますよ」。自分の会として「アジア女性交流史研究会」という小さな自分の会を立ち上げる。小さな雑誌を創刊する。(機関誌が重要ということだ。それが人脈となっていく)

・「聞き書き」を主題として「人物幼稚園史」を連載する。日本の幼児保育=教育の歩みを人物に依って綴る。この連載がもっとも良い勉強になった。明治期より現代まで、ユニークな実践をおこなった施設または人物によって、「歴史の要点」を浮き彫りにしていくという方法を採った。(人物を中心とした歴史という視点)

 最後の数ページが圧巻だった。

・「自分の眼」で見て、、、、そういう人を、多くの男性の中から「選んだ」のである。たまたまではない。

・ひたすらに男性の「思想・人柄」を見ようとしていた。、、、その人の「志」というものの有り無しを「選びの規準」としていた。

・人を取り巻く諸種の「条件」の有利・不利によって人生のつれあいを選ぶのでなく、人の「志」を「もって選ぶこと。

・漢字の「志」は士(サムライ)の心。大和言葉の「こころざし」は、ひとつの主題・ひとりの人物・ひとつの事柄にみずからの「心を刺す」こと。

・自分が生きた証をこの世に残すには、みずからの「心を刺した」主題を、その望み選んだ形において実現するしかないだろう。

「顔を出す必要のないラジオは別として、テレビ出演を断ることとし、その後ずっと通している」という方針があるあら、この人のことは馴染みがなかったのだ。厳しい生き方、学び方には感銘を受けた。「心を刺した」テーマを、自分のやりかたで学んでいく。志、独学、自分の会と機関誌の発行、人物中心の歴史という視点。改めて参考にしたい。 

サンダカンまで わたしが生きた道 (朝日文庫)

サンダカンまで わたしが生きた道 (朝日文庫)