井上尚也「ドネア、めちゃくちゃ強かったです」ドネア「自分が戦った相手であれだけパンチを耐えられた選手はいなかった」

ボクシング世界バンタム級の頂上決勝試合。井上尚也が世界5階級制覇王者ドネアとの死闘を制した。判定は3-0だったが、どうなるかわからない接戦だった。いいものをみた。

圧倒的なパンチ力で早いラウンドに相手を倒す井上尚弥の魅力にファンとなっていたが、最高の相手に全力で勝利を引き寄せる姿をみて、改めてこのバクサーを応援したい。

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試合が終わったと同時に、互いの健闘をたたえ合う二人。

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勝利者インタビューでは、「ドネア、めちゃくちゃ強かったです。初めてカットがあり、ドネアが二人に見えた。最後まで相手がぼやけてた状態。自身最大のキャリア。精進していく」。

井上尚也のtwitter皆さん、今日は本当に熱い声援ありがとうございました。 苦しい場面が山程ありましたが皆さんの声援で持ち堪えることが出来ました。 このFINALでドネアと戦えた事を誇りにこれからも精進して頑張って行きますので引き続き応援宜しくお願い致します」

ドネア「井上はこの試合で真のチャンピオンであることを証明した。自分が戦った相手であれだけパンチを耐えられた選手はいなかった。おめでとうと言いたい」

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 リレー講座。講師は寺島学長。「世界史への問い直し」。

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2000年からの18年間で新聞の発行部数は1100万部減少した。 スマホによって自分の関心領域のみが深まっていく。

全体知。知識・記憶力という流動性知能。体験の積み重ねを基盤とした結晶性知能はつながりがみえるようになる。問題解決への知能だ。

雑誌「世界」の2010年から連載:「17世紀オランダからの視界」。交響曲

第一楽章:1から14。17世紀オランダとは何か? 

第二楽章:15から31。江戸期の日本。日朝、日中関係。自立心を深めた時代。

第三楽章:32から48。17Cオランダをめぐる世界の状況。英仏独、トルコ、、。

第四楽章:49から61(進行中)。ビッグストーリー、グローバルストーリー、世界宗教、仏教、キリスト教イスラム教、、トランプ支持30%の岩盤は福音派プロテスタントプーチンのロシアはロシア正教アイデンティティを求めている。最後は「貨幣」へ。

6万年前に脱アフリカ。3.8万年前に日本列島到着。1万年前から定住、農耕・忍耐・コミュニティ、社会性を獲得。2500年前には、仏陀孔子(「それ恕か」)、ユダヤ教が成立し、利他心が芽生える。2000年前にキリスト、大乗仏教の登場。

人間仏陀は内に向かった。それから500年経ち、2000年前に弟子たちは「加上」で救済の宗教たる大乗仏教に進化させた。同時期にキリスト誕生というシンクロナイズ。

仏典のサンスクリット文字から漢字への翻訳。表意文字を用いる漢字文化圏の仏教へ。「空」は自然科学の世界の「ゼロ」と対応。

百済から伝来した仏教。飛鳥寺の大仏。蘇我氏の招福寺。国家仏教へ。江戸期の仏教。徳川は浄土宗。歴代将軍は6人が増上寺天台宗)、6人が寛永寺天台宗)。天皇の墓は泉湧寺。天皇家と仏教の関係。

1900年の新渡戸稲造の「武士道」。儒教が背骨、左右に仏教と神道という混成。

織田信長時代の仏教。仏僧とフロイスディベート。旧教革命のザビエルと、同じく浄土宗への対抗仏教革命の日蓮。

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寺島さんと懇談:野田先生。斎藤勁。特任。

午後:高橋さんと情報交換。京都知研、、、。

午前中:品川で研究開発機構評議員会。総研所長として出席。

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「名言との対話」11月7日。筑紫哲也「『--という話である』を『ーーである』と断定することができるか」

筑紫 哲也(ちくし てつや、1935年昭和10年)6月23日 - 2008年平成20年)11月7日)は、日本ジャーナリストニュースキャスター

朝日新聞社記者、朝日ジャーナル編集長、TBSテレビ筑紫哲也 NEWS23』メインキャスター。筑紫哲也 リベラル派文化人の代表的存在だった。

「日本人は安全より安心を求める」」「報道記者は『炭鉱のカナリア』でありたい」

「私はガンを患っています。ガンに侵されると、本来使うべき栄養やエネルギーがガンと闘うためにそこに取られてしまう。本来人間が生きていくためのそれに向かなくなる。この国は、一言で言えばガンに罹(かか)っているのです」

「近ごろ「論」が浅くなっていると思いませんか。その良し悪し、是非、正しいか違っているかを問う前に。ひとつの「論」の専制が起きる時、失なわれるのは自由の気風。そうならないために、もっと「論」を愉しみませんか」(2008年夏)

『若き友人たちへーー筑紫哲也ラスト・メッセージ』(集英社文庫)を読んだ。この中に新渡戸稲造の「武士道」がでてくる。日本人は道徳教育をどうやっているのかという問いかけかけがあり、宗教なしで道徳教育をどうやっているのかと問われる。その答えが「武士道」という英語の本に結実した。私の人物記念館の旅と読書遍歴は「日本とは何か。日本人とは何か」がテーマである。新渡戸稲造の記念館では、神道儒教、仏教の混合体であるという説明があった。また二宮尊徳は「神道一さじ、儒仏半さじづつ」と述べている。安岡正篤は西洋では宗教が道徳を教える軸となっているが、東洋では宗教と道徳を合わせて「道」というとしている。また森嶋通夫は、皇室は神道、政府は儒教、庶民は仏教。3つの倫理体系の伸縮的な組みわせが日本の発展に寄与したと分析している。

筑紫は「日本人とはこういうものですよ、ということを総体として説明したものはほとんどない。『武士道』が1900年にアメリカで出版されてから現在に至るまで、有効な形で日本人を説明した本、そして多くの人に読まれた本というのは皆無です」と述べているのだが、私は徳治主義の根幹たる倫理教育、道徳教育にあたっては、日本の偉人たちの生涯と彼らが遺した名言を用いるのがいいと考えている。「人の道」を歩いて「天」に向かう聖人たちの姿をみせるのがいい。「人物記念館の旅」も、「名言との対話」も、その一環である。

2005年に訪ねた大分県竹田市の滝廉太郎滝連太郎記念館の名誉館長は筑紫哲也だで驚いたことがある。滝廉太郎の妹の安部トミの孫にあたるということだ。「大音必稀」と書いた筑紫哲也の書が掲げてあった。

 立花隆「文藝春秋」に書いた 「田中角栄研究」がきっかけで田中が逮捕されるにいたったとき、新聞記者たちはあんなことは知っていたと語り合ったそうだ。しかし、人からの伝聞と自らの調査では、ものが違ってくる。そこまで突き詰めたのかという問いかけだ。この筑紫哲也のジャーナリスト魂は学ばなくてはならない。

若き友人たちへ ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書)

若き友人たちへ ―筑紫哲也ラスト・メッセージ (集英社新書)