大学生の春休みの計画ーー「本を読む」が多数

先週の「立志人物伝」の最終講義のアンケートでは「春休みの予定」を聞いた。

「計画を立てる」と「本を読む」という答えが多かったのは、この授業の成果の一つだったと思う。以下、アンケートから。旅行、インターンシップ、就活準備、免許取得、バイト、、、。

「現在月10冊程度本を読んでいるが、もっと量を増やし、また興味ないものも読んでみようと思う。」「本を読み知識を増やしたい。山登りに挑戦している。」「10冊本を読む。」「努力する。本を読む。計画をたてる。有意義な時間となるような生活を送りたい。」「伝記などを時間を見つけて読んでいきたい。」「本を読む。福澤諭吉のような知識学問の土台を作る生き方をしたい。春休みに習慣化したい。」「本や映画を観て自らの知識を広めていきたい。」「車の免許合宿に行く。本を読んで過ごす。」「名言を集めることをやってみたい。予定を立てていく。」「多くの本を読みたい。」「卒業論文を書く予定。関西を旅行。」「2月にスキーに行き、思い出をつくります。」「春休みは大阪を旅行する。そこで知識の幅を広げたい。事前に調べたい。」「長い春休みで、どれだけ頑張ったかを書くこと言えることができるよう過ごしたい」「沖縄に行く。たくさん楽しみたい。」「春休みを有意義に過ごしたい。」「インターンシップに行く。就職できるような場所を見つける。」「就活中なので2月のうちに様々な企業を見ていきたい。しっかり計画を立て就活に臨みたい。自己分析をしっかり行いたい。」「バイトを頑張りたい。実家の京都にも帰るつもり。オープンキャンパスや合説、インターンとあるので就活に向けても頑張ります。」「博物館など訪問してみたい。」「インターゼミの論文を終わらせる。SPIの勉強と冬のインターンシップに行く。3/1就活本格スタート。どこかに行きたい。」「これまで触れてこなかったジャンルの作品に触れ新たな発見をしたい」「免許を取得する。」「バイト週5する。タイとカンボジアを旅行する。楽しみです。」「2月20万稼ぎ、3月旅行する。」「様々なボランティアに出て行きたい。」「いろいろなボランティアに参加する。」「免許を取って実家でのんびりする。」「予定をたてバイトをするなり勉強(プログラミング)するなりして一日一日を無駄にしない様にしたい。」

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午前:立川の「けやき出版」を訪問。長島先生も交えて、多摩人物紀行をテーマとした出版企画のブレーンストーミング。けやき出版は、社長以下全員女性。

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午後:大学で秋学期の成績付け。

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「名言との対話」1月22日。向坂逸郎「本当に勉強する者は、大学より人生を場としたほうがよい」

向坂 逸郎(さきさか いつろう、1897年2月6日 - 1985年1月22日)は、日本マルクス経済学者・社会主義思想家。

三池炭鉱のあった福岡県大牟田市出身。第五高等学校在学中にドイツ語を学ぶ中からマルクスに傾倒する。 東京帝国大学経済学部卒業し助手となる。ドイツのベルリン留学中はマルクス主義関係の著作を読むことに没頭した。帰国後の1925年に九州帝国大学教授となり、非日本共産党マルクス主義者集団の日本的社会主義の確立をめざす「労農派」の代表的論客として健筆をふるった。1928年に日本共産党の関係者の大量検挙と治安維持法による弾圧の影響を受けて、大学を追われた。また 1937年には検挙されている。

戦後、九州大学へ復職する。三池炭鉱労働組合などの学習活動に熱心で、社会主義青年同盟の育成にも努力した。 1951年、社会主義協会を設立し、日本社会党左派の理論的支柱となった。向坂は大学での講義や言論活動の傍ら、社会党や労組の活動家を自宅に集めて『資本論』を講義したり、全国の勉強会に赴いて、労働者の教育に力を入れ、社会主義協会系の活動家の間で向坂はカリスマ的存在となった。三井三池炭鉱での活動家育成にも力を注ぎ、彼らは1960年の三池闘争の中心となった。資本主義経済体制の枠内で実現されうる変革を目指す社会党内の構造改革派を批判するなど発言権を強めていく。その結果、社会党の党勢は70年代に一定程度回復している。

福岡と東京の双方で各種の研究会を主宰し、多くのマルクス主義研究者を養成し、これらの弟子たち等の協力を得て『マルクス・エンゲルス選集』全12巻を編纂した。 マルクスエンゲルス論文作の翻訳、編集のほか『地代論研究』 『日本資本主義の諸問題』 など著書は多数ある。

収集したマルクス主義に関する膨大な文献や資料は死後、法政大学大大原社会問題研究所寄贈された。また向坂の旧邸跡の東京都中野区に法政大学向坂逸郎記念国際交流館が2010年に竣工している。

指名解雇をを巡る三井鉱山三池鉱業所の大争議は、1959年から2年間続き財界対総評の戦いとも言われた。当時のマスコミでも大きな話題になり、小学生時代の私も関心を持ち、父から説明を受けたことがある。その争議は向坂が育てた弟子たちが主役だった。また日本社会党を舞台として論陣をはり大きな影響を与えている。万巻の書を読むだけでなく、現実の問題の解決を目指して現場に関与しながら、学びを深めていくのが向坂流だった。徳富蘆花の「人間は書物のみでは悪魔に、労働みでは獣になる」という言葉と同様に、書物だけでなく人生を場として本当の勉強をせよ、というメッセージであると受け止めたい。