東京新聞に授業の記事が掲載された。「都知事選」のZOOM授業:朝は学部。夜は社会人大学院生。

午前2限。「都知事選」の3回目の授業。本日の東京新聞朝刊に記事が掲載された。

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本日の都知事選の3回目の授業は選挙管理員会の「選挙公報」が題材。以下、変遷。

小池支持者が多いが。野党が統一候補を立てることができていたら、いい勝負になっただろうという数字になった。さて、5日の投票日の結果はどうなるか。

3回目:小池百合子45%。宇都宮健児22%、山本太郎13%、小野泰輔6%、立花孝志1%。

2回目。小池百合子47%、山本太郎27%、宇都宮健児20%、小野泰輔3%、立花孝志3%となった。他には後藤輝樹、桜井誠。

1回目。小池百合子33%、宇都宮健児21%、山本太郎20%、小野泰輔15%、立花孝志10%。

以下、受講生の反応から。

・新聞に取り上げられたのは一般的にタブーとされる政治の話を議論の一環として扱う試みの大胆さへの敬意ではないか。

・ヨコ文字の多用、難しい言葉の乱用など、公約は高年齢層をターゲットにしているのでのでないか。

東京オリンピックのことが一切書かれていないため疑問。都知事選の裏側でコントロールしているのではないかと感じる。公平性を疑う。

・選挙に無関心という感覚でいると結果的に自分たちの未来を奪われていくことに気がついた。

・投票の仕方がわからない。

・図を描いているときの先生同士の話し声が気になって、集中力が欠けてしまった。

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以下、6月28日のブログから。

都内各戸に配られた「選挙公報」(東京都選挙管理委員会)を材料に、 東京都知事選の主要5候補(マスコミ)の公約・マニフェストを図解してみた。

授業で都知事選の公約を図解するというテーマで100人の大学生に取り組んでもらっているので、その材料として図を描いてみた。この骨格の図に知り得た情報を加えていくと、それぞれの公約の全体像が見えてくるだろう。たとえば、山本太郎では、東京都の財政がいいので都債で借金をする余裕が十分にあるとか、小池百合子は前回の公約との延長でみるとか、宇都宮健児については、立憲・社民・共産の主張がどこに入っているのかとか、、、。

選管の「選挙公報」にはオリンピック・パラリンピックについては一言も入っていないのは意外だった。

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電話

・出版社:文言の最終調整。

・八木さん:日曜日に訪問する。

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夜は品川の社会人大学院の授業。テーマは「都知事選」の公約。以下、感想から。

・本日はありがとうございました。気づいた点として■ただ漠然と読んでいる、候補者の公約を図解にすることで、公約の軽重や矛盾、表現の稚拙な点等が浮き彫りになった。■更に、候補者を比較してテーマ別に図解することで、改めて各候補者の主張が鮮明になり比較できた。思った以上に、小さい広報誌からでも候補者ごとに違いがあるものである。個性・主張が感じられた。■結果、図解は候補者の評価に相当役立つことが分かる。TVだどでも、討論などの前にテーマ別の図解による専門家の論評があっても本来は面白いが、それ自体が評価になってしまうのであろう。

・人で比べるという視点、内容で比べるという視点、全員並べるという比較、比較の仕方は無限にあると思いました。投票したい人がいなくとも、実際に比較してみると公約実現までの時間軸が見えてきて、任期と合わせて妥当な人を選ぶという選択方法もあると思いました。先生、本日もありがとうございました!

ご講義ありがとうございました。本日の取り組みさせて頂いて感じたことは、選挙公報について・抽象的な記載が多く、候補者の考えを的確に出し切れていないなと思いました。そのため、候補者は公約を図解化すれば、もっと想いが伝えられるのではないかと思います。公約の図解化について・公約を図解化しようとすると無意識にものごとを理解しようと頭が働き、理解が深まるなと改めて感じました。

・今日は都知事選挙の公報を図解しました。図で各候補者の公約について書いたり、比較の作業をしたりしました。図解で分析して、政治家の性格が見えます。私はもともと政治に関心がないですが、今回の授業と通じて、少し関心になりました。授業とても面白かった。これからも、図解のアンテナを立っていろいろなことに試したいです。

・本日公約を図解にしました。やっているうちに、図解の素晴らしさを深く感じました。図解は考えていることを整理するだけではなく、知事の公約を理解することもかなり役に立ちました。この前、こういったような文章を読んでも、理解できないので、今回図解のお陰で、大変理解できました。今週も文章を図解にして練習し続きます。

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 「名言との対話」7月3日。吉田忠雄「企業を森林とみるならば、社員は一本一本の樹木である。各々の樹木が自らの力で生きていこうと努力すれば、森林全体が生気に満ちあふれて隆盛を迎える」

吉田 忠雄(よしだ ただお、1908年9月19日 - 1993年7月3日)は、日本の実業家で、YKKの創業者。 

富山県魚津市出身の吉田は「偉人伝」の愛読者だった。その中でも小学生時代に読んだカーネギー伝が気に入っていて。「他人の利益をはからなかったら自らは栄えない」という「善の循環」の考え方に感動する。

 古谷商店の社員を経て1934年にYKKの前身であるサンエス商会を設立し、ファスナーの生産を始める。以降、兄弟の吉田久松とともにYKKを世界的な企業に育て上げる。 ファスナーの国内のシェアは一90数パーセント、世界のシェアも40数パーセントまで達した。

YKKは 徹底した現地主義をとった。「現地で生まれた利益は基本的には現地で再投資する」。これも「善の循環」である。

オイルショックの時のエピソードがある。取引先の人たちを集めて 「我々が百億円の損失をかぶる。だからみなさんは出し惜しみや値上げはしないでほしい」と語った。消費者に製品を供給するために、メーカーが泥をかぶらずにどこが責任を取るのか、というのが吉田の哲学であった。

YKKグループは2020年3月現在で、国内18社・海外91社のグローバル企業で、従業員は国内17,789名/海外28,472名、そして連結売上高は7238憶円(2019年度)になっている。

富山県黒部市吉田にYKKセンターパークがあり、YKKブラジル農園直輸入の自家焙煎コーヒーやオリジナルグッズ販売、ファスナー手作り体験も楽しめ、黒部の原風景の再生を目指す「ふるさとの森」がある。その一角に「創業者吉田忠雄ホール」が設置されている。著書は『仕事儲け人儲け - 人間吉田忠雄語録 ワールド・エンタープライズYKK経営」の勘どころ』(大和出版、1986年)、 『みんなに伝えたい世界のファスナー王 吉田忠雄のことば』(吉田忠雄、千広企画、2020年)がある。

 「企業を森林とみるならば、社員は一本一本の樹木である。各々の樹木が自らの力で生きていこうと努力すれば、森林全体が生気に満ちあふれて隆盛を迎える」。そして「企業自体も社会の中では一樹木である、皆でがんばって社会の繁栄に貢献しよう」。社会は大小さまざまの森林で成り立っている自然のようなものだ。一本の木が林となり、その林が森となっていく。そういった森が集まって社会をかたちづくる。そういう世界観だ。

社会という肥沃な大森林からもエネルギーをもらい、一本の樹木が成長して森を形成し、その果実を社会に返していく。そういう「善の循環」の哲学は、YKKの後輩たちにも引き継がれ、確固たる方針となっている。品川駅のコンコースに「窓を考える会社YKKap」という大型の広告がある。大学院の授業に向かうたびにこの広告を見ていて、YKKという会社のことを私もよく考えることがある。YKKは大きく美しい森となった。