「立志人物伝」の4回目の授業ーー正岡子規と夏目漱石と秋山真之

「立志人物伝」の4回目の授業。今回は、「切磋琢磨する友と敵」というテーマで、「友」を取り上げ、正岡子規を中心に夏目漱石秋山真之を解説した。

下記は前回3回目の授業の課題アンケート。テーマは「仰ぎ見る師匠の存在」で、取り上げた人物は渡辺崋山と師の佐藤一斎横山大観平櫛田中と師の岡倉天心童門冬二と師の山本周五郎太宰治

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新刊の『名言の暦』がアマゾンにアップされた。発刊は来週の22日。

名言の暦 平成命日編

名言の暦 平成命日編

  • 作者:久恒 啓一
  • 発売日: 2020/10/22
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 

 

 

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 ・杉田先生

・中津への帰省の日程と調整と各種予約。

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「名言との対話」10月16日。加藤和彦「同じことは二度とやらない」

加藤 和彦 (かとう かずひこ、1947年3月21日 - 2009年10月16日)は、日本音楽家

作曲編曲音楽プロデュース撥弦楽器鍵盤楽器などの演奏・歌唱を通じて、制作者実演家として活動したミュージシャン。

加藤は北山修をはじめとする大学生仲間たちとザ・フォーク・クルセダーズを結成し、アルバム「おらは死んじまっただ」「天国いいとこ一度はおいで""酒はうまいしねえちゃんはきれいだ」という破天荒な詩から始まる「帰って来たヨッパライ」は、280万枚を売りあげ、史上初のミリオンセラーとなった。翌年には日本レコード大賞特別賞を受賞。

 1968年末にフォーククルセダーズを解散して、加藤は1972年までアメリカ、イギリスで暮らした。

1970年代初頭から中盤にかけてロックバンドサディスティック・ミカ・バンドを結成し、1970年代の日本のミュージックシーンをリードした。

1977年、38歳のときに8歳年上の作詞家の安井かずみと再婚し、1990年代初頭まで「作詞・安井かずみ/作曲・加藤和彦」のコンビで、通称『ヨーロッパ三部作』などのソロ作品の他、数々の作品を他のミュージシャンに提供した。

1980年代から映画・舞台音楽、1990年代後半からは市川猿之助スーパー歌舞伎の音楽など、ポップミュージックの垣根を越えた様々なジャンルの音楽も幅広く手掛けた。「自分以上でも、自分以下でもない音楽」を作ることが信条だった。

「アーティストというのはそういう人と違ったことをしてるから、何かしら生み出せるんじゃないかな」

「僕もこうなりたくてやってるわけじゃなくて、ちびちびやってたらこうなっちゃったっていう。根本的に20歳ぐらいのときから変わってないからね(笑)。規模がちょっと拡大したぐらいなもんでね」

 

吉田拓郎は、「加藤の才能は日本では唯一無二なもので、10人の歌手の10通りの歌へのアドバイスが即座にできる」と語っている。それは彼がプロデュースした以下の人々の名前をあげるだけでわかろうというものだ。

トワ・エモア、伊藤ゆかり。ザ・ゴールデン・カップス萩原健一。森山良子。由紀さおり小柳ルミ子かまやつひろし城みちる。鰐淵春子。高田みずえ大原麗子竹内まりやザ・ベンチャーズ岡崎友紀泉谷しげる岩崎良美。多岐川裕美。樋口可南子。増田恵子。梓みちよ柏原芳恵吉田拓郎アグネス・チャン薬師丸ひろ子原田知世田原俊彦沢口靖子神田正輝中井貴一稲垣潤一。少年隊。西村知美加山雄三桐島かれん西田ひかる市川猿之助。、、、、、、

晩年は鬱病となり、自死する。享年62。遺書には「世の中が音楽を必要としなくなり、もう創作の意欲もなくなった。死にたいというより、消えてしまいたい」。「私のやってきた音楽なんてちっぽけなものだった。世の中は音楽なんて必要としていないし」とあった。

作詞家であり、後に精神科医となった北山修は、加藤の自死について「後ろを向いたら負けである、という生き方。自分の物語を語ろうとしない。前に倒れるしかない。決して同じことをやろうとしない」と分析している。

「同じことは二度とやらない」とはアーチストらしい厳しい生き方だ。仲間の北山修が作詞し端田宣彦が歌った名曲『風』(1969年2月)にあるように「ただふり返っても そこにはただ風が吹いているだけ」という心象風景だろうか。加藤和彦という希代のアーチストは変化を追い続けた。そして脱皮ができなくなったとき、この世から消えたのだ。 

加藤和彦 あの素晴しい音をもう一度 (文藝別冊)

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  • 発売日: 2010/02/23
  • メディア: ムック