『名言の暦 平成命日編』 を22日に発刊ーー「真・日本人」を求める探検の記録

『名言の暦 平成命日編』 を明後日の22日に刊行。取り上げた366人の人物はどういう人たちか。「真・日本人」と呼びたい。本当の日本人、本物の日本人。「真・日本人」を求める大いなる探検の旅の記録。

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名言の暦 平成命日編

名言の暦 平成命日編

  • 作者:久恒 啓一
  • 発売日: 2020/10/22
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)
 

以下、「まえがき」から。

 私の「名言」シリーズは、2017年の「偉人の命日366名言集」、2018年の「偉人の誕生日366名言集」、2019年「平成時代の366名言集」に続き、4冊目となります。

今回は、平成時代の2冊目ですが、平成時代は1989年からの30年という短い期間であったこと、その2冊目であったことなど、人選については難航しましたが、何とか完成までこぎつけるできました。

このシリーズは、「名言集」として編まれていますが、その名言は、その人らしい言葉、私自身が感動したり、心を動かされたものが中心です。次に「人物論」としての意味がありますが、人は自分のレベルでしか人を語ることはできないということであり、しかも一日一人というやり方なので、理解が浅薄になっている感は否めません。

また、毎朝書いていると亡くなった人への「弔辞」を書いている気分になることがあります。そういえばイラストレーターの河原淳さんの趣味は文章修業も兼ねて弔辞を書くことでした。また作家の川端康成は「弔辞といえば川端さん」との定評があった名人だったこともこのシリーズで紹介しています。

 人物を書くにあたっては、必ず私の歩みとからめて対象をとらえるようにしたのも特徴でしょうか。会ったこと、読んだ本、影響を受けたこと、、、、、。つまり自分史としての意味もでてきました。小論の最後には私自身の感慨を述べることにしています。その部分だけを切り取れば、私の信条や思想になる可能性もあるかも知れません。

 毎日書き続けるには読書が欠かせません。一日一冊の読書習慣が定着しつつあります。「名言との対話」を書くために、必要に迫られて、読むべき本を、毎日少しずつ読んでいます。リビングのソファ横のサイドテーブル、トイレの棚、風呂場が私の読書空間になっています。テーブルとトイレには5冊ほどの本を常時積んでいます。夕刻にはテレビをみながら本をめくっていきます。トイレでも前の日の続きを読み進めることにしています。そして風呂では、1冊の自伝などに線を引きながら読み終える。書くに値するフレーズや心に響く箇所をマークしていく。この過程は、積ん読、乱読、精読が入っているといってよいでしょう。

 そういった準備のもとで、毎日の早朝の時間は、その日が命日の一人の人物と正面から向き合う時間となります。この人はどう生き方をしたのか、何をやろうとしたのか、その人から何を学ぶか、、、。ありがたいことに学問、文化、芸能、企業、スポーツなどに関する知識が副産物として身につくことです。

 2005年から「人物記念館の旅」を始めて15年経ちました。900館以上の記念館をたずねています。この旅は「巡礼」です。巡礼とは自己発見の旅です。このシリーズはその延長線上にあり、毎朝心が洗われる感じがしています。

取り上げた対象は近代・現代の日本人が中心であり、「平成時代」の2冊に登場する人たちは長寿が多いのが特徴です。日本人の寿命が急速に伸び、「人生100年時代」が射程に入ってきましたが、その生き方のモデルは長寿先進国の日本にしかありません。特に平成時代に亡くなった人にはそのモデルが豊富にあります。

 名前は知ってる、事績も理解していると思っても、一人一人の人生模様はそう単純なものではないことを日々実感しています。また「平成時代」には、なかなか人がいなくて名前すら知らない人も取り上げることが多くなっています。ところがそれがまた実に面白いのです。本を読む、調べるなかで、驚いたり、発見があったりする毎日です。感動が積み重なって心の中に少しずつ堆積しつつあります。それが朝起きる理由となって、朝が待ち遠しく感じます。

 2020年の今年は、1945年の敗戦以降の「戦後編」に挑戦中です。昭和、平成、令和の時代を生きた人々が対象です。この「戦後編」を含めて5年続くと、取り上げた人物は1800人以上となります。この人たちはどういう人たちなのか。私は「真・日本人」と呼びたいと思っています。本当の日本人、本物の日本人です。「真・日本人」を求める大いなる探検の旅の記録です。

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「名言との対話」10月20日平尾誠二「規律とは自由を獲得するためのものだ」

平尾 誠二(ひらお せいじ、1963年昭和38年)1月21日 - 2016年平成28年)10月20日)は、日本ラグビー選手。

 日本代表選手であったほか、日本代表監督、神戸製鋼コベルコスティーラーズ総監督兼任ゼネラルマネージャーなどを歴任し、ミスター・ラグビーと呼ばれた。

 大学3連覇。社会人7連覇。ワールドカップ3回出場。2013年のWCでジンバブエを破り初勝利をあげる。インタビューに応えていた映像では、宿沢監督は「プライドと自信を得た」と語り、平尾主将は「初勝利は大きかった。自信になった」と語っていた。

 2015年1月16日の「徹子の部屋」の映像をみた。神戸製鋼の社員の平尾は建材の営業マンで、アルミ部門に変わったばかりだった。ビジネスマンとしての仕事をこなしながらのラグビー生活だった。この点は宿沢と同じだ。同志社大学の大学院で「コミュニティとスポーツ」というテーマで研究を始め、夕刻と土曜日に先生の指導を受けていた。才能のある素材を発掘し、日本代表にしていこうとする平尾プロジェクトにも意欲を示していた。

徹子の部屋」でさっそうとした雄姿を見せたわずか1年半後の2016年10月に、53歳という若さで死去する。 「感謝の集い」の映像では、800人が集まったから惜しむ人が多かったことがわかる。親友であった山中伸弥先生は「本当にありがとう。君を治すことができなくてごめんなさい」と弔辞を述べている。

 2019年のワールドカップでは、平尾が指導していたであろう日本チームは、前回で得た自信を武器に予選を4戦全勝で勝ち抜き、ベスト8戦で南アに敗れた。にわかファンの私も大相撲でいえば「敢闘賞」的な活躍をしたと思った。

 2017年4月6日発行の『平尾誠二 人を奮い立たせるリーダーの力』(マガジンハウス編)を読了。 以下、語録から。

・関わるすべての人間が、「チームは自分のもの」とい答えらえるチームは間違いなく完成度の高いチームである。

・リーダーシップの質は、求心力のレベルにある。

・リーダーには美学が必要である。

・もっとも遠くにいる人間に向かって話すこと。

・自分のもつ可能性や創造力を引き出してくれるリーダーかどうかに反応するのである。試合の前に試合は終わっている。

・ゲームに必要なのは状況を切り開くイマジネーションに富んだパスだ。

・教えるとは、相手を納得させ、行動を変えさせ、さらにその行動をこれから先もずっと続けさせることである。

・単なる戦力の違いだけではない、そこに自信があるかないかという大きな差がある。

・スポーツ・インテリジェンス

平尾誠二の言葉の中では、「規律とは自由を獲得するためのものだ」「自由を行使するには、おのずと厳しい自己節制が要求される」という言葉に共感する。平尾誠二はビジネスマンとしての仕事はきちんとこなしていたのだ。この点は優秀な銀行マンだった宿沢広朗の「銀行が必要ないと言えば、ラグビーに賭ける覚悟はある。ただ、両方やっていないと、価値がないんじゃないかと思う」と同じである。自由であるためには、自己をマネジメントすることが必要だ。自由にふるまっているとみえる仕事師は、実は自己節制の人なのだ。

平尾誠二 人を奮い立たせるリーダーの力

平尾誠二 人を奮い立たせるリーダーの力

  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)