授業「立志人物伝」の6回目のテーマは「持続する志」ーー大山康晴。牧野富太郎。池波正太郎。

授業「立志人物伝」の6回目。本日のテーマは「持続する志」。取り上げた人物は、将棋の大山康晴。植物学者の牧野富太郎。作家の池波正太郎。いずれも小学校卒、または中退という学歴の人だ。

以下、前回のアンケートのまとめ。

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・昼休み:樋口先生、久米先生と懇談。

・午後は、出版社。遅くまで社長夫妻と懇親会。

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「名言との対話」10月29日。志賀信夫「人を書くことで映像の発展の歴史を辿る」

 志賀 信夫(しが のぶお、1929年昭和4年10月23日 - 2012年平成24年10月29日)は、日本放送評論家

 早稲田大学大学院修士課程修了。早稲田大学文学部講師をへて、放送評論家となる。テレビが誕生してから常にテレビを見続け、評論家として独自のスタイルを貫く。放送批評懇談会理事長、メディアワークショップ理事、ビデオ映像文化振興財団理事、文化庁芸術祭審査委員、NHK演出審議委員などをつとめた。

志賀信夫『映像の先駆者125人の肖像』(NHK出版)という535ページという大部の著書を手にした。

テレビ界の先駆者・パイオニアたちの生き方、そしてどのようにしてヒット作を生み出したか。ディレクター、プロデューサー、技術者、カメラマン、クリエーターたち125人が登場する。3年間、毎週一人づつ、「映像新聞」に「映像界の巨人との一期一会」というテーマで書いたものが基本となってこの本が成立している。

以下、私が名前を知っている人たちのタイトルをあげてみよう。第1章「ドラマ」では、石井ふく子「人の心の優しさ描く」。大山勝美「時代と人間への共感を紡ぐ」。久世光彦「生放送ドラマに深い愛着」。萩元晴彦「テレビ現在、を持論に多彩な作品歴」。吉田直哉「よっちゃんと呼ばれた神様」。和田勉「アップ、で売り出した芸術祭男」。第2章「ドキュメンタリー」では、大原れいこ「人間と音楽のかかわり方を追求する」。岡本愛彦「ドラマの金字塔「私は貝になりたい」」。今野勉「傑作「欧州から愛をこめて」」。村木良彦「TBS時代からチャレンジ精神を一貫」。第3章「バラエティ、ニュース・情報、科学、CG、幼児、美術、技術、カメラマン、CM」では、澤田隆治「先見性こそディレクターの基本条件」。横澤彪「芸人たちの総合力を発揮させる」。ばばこういち「ユニークな生放送番組を開発」。妹尾河童「代表作「ミュージック・フェア」。川崎徹「消費者を引きつける表現力」。仲畑貴志「ユーモアあふれる作風」。

一人分は原稿用紙23枚であるから、いずれも力作ぞろいだ。「まえがき」と「あとがき」で、この本について語っているのが興味深い。

古希を過ぎてから人生のまとめの仕事をしたいという気持ちが強くなり、自己の体験を通して、実感を込めた本格的な放送史を書くのがなすべき仕事だと思うようになって、この本が誕生する。そして「映像界のパイオニア列伝」が完成した後、「続いて映像界のクリエーターの肖像を書き、『人名辞典』にも使えるような著作活動をしたい」との決意を語っている。志賀信夫の場合も、一つの大きな仕事をすると、次のテーマが浮上してくるのである。それがライフワークというものだろう。

「人を書くことがなによりも大切だ」という主張には、私も大いに共感する。映像界に限らず、人間ドラマの集積が歴史そのものなのだ。

映像の先駆者125人の肖像

映像の先駆者125人の肖像