「柳瀬博一と走る国道16号線!ライブ中継」。ジム。日本未来学会理事会。

柳瀬博一と走る国道16号線!ライブ中継」を覗く。養老先生もZOOMで参加されていた。ずいぶんと盛りあがっていた。柳瀬博一『国道16号線 「日本」を創った道』は実に面白い本だ。じわりと影響が広がっている。

 f:id:k-hisatune:20201215193816j:image

ジム:ストレッチとウオーキング

日本未来学会理事会:ZOOMで今後の方針を議論。この学会のアイデンティティは何かという議論になる。私からは「日本とは何か」「日本人とは何か」を日本人自身が説明できなければ日本の未来はないと発言しておいた。

 ーーーーーーーーーーーー

「名言との対話」12月15日。祖父江孝男「県民性はたしかに実在する!」

祖父江 孝男(そふえ たかお、1926年11月5日 - 2012年12月15日)は、日本文化人類学者。

 ノースウェスタン大学ハワイ大学ウィスコンシン大学客員教授明治大学政経学部教授を経て、国立民族学博物館の創設に参画した。アラスカエスキモーが専門であるが、新書で刊行した『県民性』がベスト・ロングセラーとなり、一般には日本人論者として知られた。

農村漁村の高齢者の生活史を収集した『出身県でわかる人柄の本』(同文書院。1993年)をもとに加筆した 祖父江孝男『県民性の人間学』を興味深く読んだ。農水省の事業で全都道府県に脚を踏み入れており、農村漁村の高齢者の生活史を収集している。その成果でもある『出身県でわかる人柄の本』(同文書院。1993年)をもとに加筆した本だ。

「カカア天下に空っ風」の群馬、「江戸っ子は宵越しの金を持たない」の東京、浄土真宗の影響が色濃く残る富山など北陸、反官僚的姿勢で自由な大阪、「京のブブ漬け」が健在で遊びの精神がある京都、よそ者が住みやすい札幌や福岡、住みにくい愛知、理屈っぽく議論好きの長野、、、、など興味深い指摘がある。

私の出身の大分県はどうか。有名人として、中津からは福沢諭吉松下竜一小野不由美があげられている。大分県の県民性はつかみにくいことを前提にしたうえで、「ぶっきらぼうだが、実直な人柄」「協調性はないが、内には積極性が秘められていて、進取の気性に富んでいる」「ユーモア好きで、アイデアマン」。小藩が分立している土地柄の影響か、出身県をことさらあきらかにしないで、徒党を組まず一人の才覚で立っていく人が多いと私は聞いていた。これらは私にあてはまるだろうか。

九州・沖縄の県民性を比べてみよう。「九州男児」の福岡、「赤猫根性」の大分、「薩摩の大提灯」の鹿児島、「肥後の中将」の熊本、「まあまあ主義」の宮崎、「ふうけもん」の佐賀、「テエゲエ主義」の沖縄。九大時代の仲間を思い浮かべると、思い当たる節もある。

この本は興味深い言葉が満載だ。じょっぱり。三ぽい。親分子分制。おれが大将。初物食いでおっちょこちょい。天領根性。まあま主義。へらこい。東の長野か、西の徳島か。讃岐の猿まね。いごっそう。はちきん、、、、。ことわざ、言伝えなどが随所にちりばめられていて楽しめる。京の着倒れ、大阪の食い倒れ、奈良の着倒れ、名古屋の貯め倒れとう比較も納得感がある。

祖父江孝男は、濃淡はあっても県民性は実在すること、そして県民性は風土と歴史でつくられると結論づけている。この本を通読して、大分県でも豊後と豊前とでは違うように、やはり江戸時代の藩の存在が大きいと感じた。生身の人間は一人ひとり違うのだが、なるほど、たしかに県民性はあるかもしれない。

県民性の人間学 (ちくま文庫)