クレイジー・フォー・ユー(劇団四季)を観る

劇団四季は、2001年から「ロングラン新都市展開プロジェクト」を推進中だ。仙台・静岡・広島の公共ホールでのロングランをバトンタッチしていく。2001年は「オペラ座の怪人」、2003年は「キャッツ」、そして2005年の今年が「クレイジー・キャッツ」である。妻と娘と3人で観た。

この作品は、1992年開幕し、トニー賞最優秀ミュージカルやオリヴィエ賞を受賞した人気作品だ。ミュージカルメロディーのガーシュウィンが作曲した傑作ばかりを集めたミュージカルだ。男の子と女の子が出会い恋をするというラブ・ストーリーで、ニューヨークでは「観終わったらキスがしたくなるミュージカル」というキャッチフレーズだったそうだ。ダンスを愛する青年が得た愛と、死かけていた町に命を吹き込む情熱。

日本語のミュージカルだけに、ストーリーがよくわかり、歌や踊りも堪能できた。主役の加藤敬二も当たり役で、名パフォーマンスだった。


帰りに劇団四季主宰者である浅利慶太(1933年生まれ)の「時の光の中で」(文藝春秋)という本を買う。「2003年、劇団四季は五十周年を迎えた。演劇人だけで、とてもここまでは来れない」と「あとがき」にあるように、政治を含むあらゆる分野の人々と交わりながら歩んできた戦後史の物語である。小澤征爾昭和天皇佐藤栄作田中角栄三島由紀夫、寺山修二、中曽根康弘などが登場する。この人物も魅力がある。