宇治山哲平の言葉     「美について想う」より

私は形象と色彩によって抜きさしできぬ煌くような象徴の世界を打ち立てたい


私の絵画は、具体的な描写ではないが、自然のすべてが画因である。太陽、石、山脈、風、凍土、動植物などあらゆる自然のリズムや形象を極めて単純な記号のような原形にまで抽象して生気を蘇らせたいと希っている。


壮大なる秩序とリズム。それは私が絵画に託している夢である。


私は私の絵画を創りたいだけです。


簡潔明快な形と鮮麗な色彩を好みます。形はあいまいさを許さず、色彩は交響を奏でる。


色と形による荘厳なる絵画世界を夢見ています。


特別なモチーフやテーマはない。テーマは完成してから決める。


簡潔明瞭な形象と色彩の動き、


画は、私が如何に生きたかという証に他ならない。


私の絵は、純粋抽象の絵画であります。円や四角などの簡潔な形と、赤青紫黒などの鮮烈な色彩で構成されています。強靭で柔軟、晴朗な生気ある充実した空間を造形したいのですが、これは遠い夢のようです。


常にパレットが濡れていなければ駄目だ、といのは私の信条であるが、私という凡才が生きぬく道は、それ以外にないと思っているからである。


沸々たる静謐の世界


日本画の代表的名作といえば、私は藤原隆信源頼朝像、雪舟の慧可断ぴ図、それに宗達の作品を挙げる。


結局、個展とは自分の仕事を自分でじっくりみつめる贅沢な催しである。


制作は形から始められますが、その時点では、不思議にも色彩のことは私の念頭にありあせん。形の構成が進行して一応の段階に達するころ漠然と色彩が浮かんできます。カンバスに形が決定すると、いままで漠然としていた色彩が、にわかに確然として、丸や四角の形の中に飛び込んでくるのです。最初の色彩が着彩されると、色が色を呼ぶごとく画面いっぱいに色彩が競い合うものです。絵を描いていて一番心躍る歓びの時です。