「脳と仮想」(茂木健一郎)と「病気は自分で治す」(安保徹)

日曜日は明日から始まる授業の準備や原稿のチェックをしながらゆっくりし、本を2冊読む。


第4回小林秀雄賞受賞作「脳と仮想」(茂木健一郎)を読んだ。茂木は1962年生れの脳科学者で、ソニーコンピューターサイエンス研究所につとめている気鋭の科学者で、マスコミの寵児でもある。読後の最初の感想は、深い教養と最先端科学の知研がかみ合った本ということだ。小林秀雄夏目漱石樋口一葉、ワグナー、柳田国男、三木成夫、小津安二郎、、、、、など先人の軌跡を辿りながら、自身の経験を踏まえながら、近代科学が置き捨ててきた「心」の解明へと迫っていく。


・人間の経験のうち、計算できないものを、現代の脳科学では「クオリア」(感覚質)と呼ぶ

・熊本より東京は広く、東京より日本は広く、そして日本より頭の中のほうが広い(「三四郎」)

・毒矢を抜くことよりも、毒矢はどのように出来ているかの解明に専念してきたのが科学である

・この世界に陳腐なものが存在しているのではない。陳腐なものの見方があるだけである

・なぜ単なる物質を、いくら複雑とはいえ、脳というシステムにくみ上げると、そこに「魂」が生じてしまうのか、とんと見当がつかない。見当がつかないということは、きっと、近代科学のやり方に、どこな根本的な勘違いがあるということを意味するのだろう。重大な錯誤があることを意味するのだろう。

・物質である脳に、意識が宿る。この不可思議な事実の中に、人間の喜びと哀しみの、全ての源泉があるのである。



安保徹「病気は自分で治す」。安保は免疫学の大家で、一般向けの本を多量に書いたりしている実践家でもある。


・55歳までは研究成果を上げるために切迫感を持ちながらやってきた。

船井幸雄氏は、夜は9時半に寝て朝3時半に起床する。忙しい毎日で健康を維持するには、生活のリズムが大切です。