「疾風る人 弁護士 布施辰治」(要プロデュース・劇団仙台公演)

夜は仙台市青年文化センターで行われた演劇を観る。「疾風る」は「はせる」と読む。

人権弁護士として最近話題にとりあげられている宮城県出身の布施辰治(1880--1953)の生涯を描いた作品である。布施辰治は戦前は朝鮮人独立運動を擁護したり、法廷侮辱罪で下獄したり、戦後は三鷹事件弁護団長などで活躍した。出身の石巻文化センターに布施を顕彰したコーナーがあり訪ねたことがある。


演劇にみる布施は、まさに疾風のように人のため世のために次から次へと仕事をしていく。人柄は朴訥で陽気だが、権力に対する厳しい言論は迫力がある。布施役の木村純一の演技も達者で、いかにもこのような人物だっただろうなという姿を見事に演じている。最後の演説も胸を打つものだった。


会場は大きかったが、この一般には無名の人物の劇であるのに、意外に観客は多かった。パンフレットの広告は仙台の法律事務所がほとんだった。劇の内容もそうだったが、憲法をまもろうという人たちが駆けつけたという雰囲気だった。下記は布施辰治コーナーを訪問した時のコメントから。