損保会社勤務の山本勝彦さんが書いた「ネットワーキングの方法」という本がある。研究室の書棚にあるのを見かけ久しぶりに手にとってみた。1988年12月刊行の本だから、18年前だ。当時から山本さんは社外のネットワークが多く、名前と活動はよく知られていた。
仕事では企画部門で活躍し、社外では勉強会を主宰し、絵の収集を趣味とし、たしか銭湯巡りもやっていて、新聞や雑誌などによく登場していた。
この本の中に、「私のキーマン・リスト(抄)」という表があった。1948年生れの山本さんは、1940年から1956年生れの当時のキーマンとおぼしき人たちを200人以上リストアップしている。政治家・役人、学者・研究者、ニュービジネス・専門家・フリー、企業内・サラリーマン、その他(小説家・芸能人、、)、というジャンルに分けている。
自分の同世代をヨコにみてキーマンを並べてみたというが、20年近く経った今、このリストを眺めてみると非常に興味深い。
リストアップしてあげておくといつか自然に会えるようになる、とネットワーカーとして活動している本人が語っているが、そういうこともあろうかと思う。
1941年生れには、小泉純一郎、浜田卓二郎、横路孝弘、鹿野道彦、栗本慎一郎、井上宗みち、浜野安弘、大橋照枝、大宅映子、佐藤修、林紘一郎、大須賀敏剛。
(小泉純一郎という名前を当時からマークしていたのだろうか)
1948年生れには、新井将敬、中村喜四郎、金子郁容、川喜多喬、舛添要一、上野千鶴子、藤原まり子、花田光世、吉沢潔、山本勝彦(本人)、杉浦勉、長谷川文雄、伊藤裕夫、つかこうへい、都倉俊一、高松伸、井上陽水、内田光子。
(団塊世代の各界のフロントランナーたちの名前が並んでいる)
1950年生れには、北畑隆生、松崎哲久、内山清、矢内廣、奥谷礼子、船瀬俊介、黒川康正、霜田栄作、多田正仁、久恒啓一、江上節子、中村信夫、坂東玉三郎。
(光栄にもサラリーマン時代の私もあげてもらっているが、当時はまだ30代後半で海のものとも山のものともわからない時代だったのに不思議である。)
1952年生れの大滝精一、会津泉、1955年生まれの藤原和博、、、。
(仙台に来て知り合った東北大の大滝先生、リクルート時代一緒に遊んでいたが今は杉並区の小学校の校長になっている藤原さん)
1956年生れには、竹内久美子、三戸祐子、如月小春、野田秀樹、泉麻人、田中康夫、秋元康。
「企業内・サラリーマン」というタテでみると、東レの佐藤修(1940年)、第一勧銀の神田紘爾(小椋桂)、西武百貨店の水野誠一、電通の新井満、三井物産の寺島実郎(1947年)、リクルートの藤原和博、三菱総研の那須幸雄、東京ガスの岡本光正、象印マホービンの明石雅文、リクルートの江上節子など。不思議なことに、いつの間にか彼らのほとんどにはどこかで私も会っている。
リストアップされた人たちは、山本さんが40歳で、その前7年後7年の人たちということになるのだが、当時から名が高かった人もいるが、その後に頭角を現した人も結構多い。同世代の異分野の人たちに注目しながら仕事をしていたということだろうが、ネットワーカー山本勝彦さんの眼力はかなり高かったようである。