人事院で講義

東京青山にある人事院(分室)に出向く。青山学院の近くのビル。

4日間の職員研修コースの最後の半日が私の担当である。

研修日程をみると、「公務員倫理と国家公務員倫理審査会」「セクハラ防止」「行政と個人情報保護」「心の健康づくり」や、「アサーティブ・トレーニング」「セルフ・モチベーション」などのスキルアップ研修が載っている。


一般には人事院勧告という言葉でしか知られていない人事院という役所だが、スト権など労働基本権制約の代償機能を果たすため、公務員の人事管理に関する中立的な第三者機関として設置されている。内閣府の所管の専門機関だ。公務員の採用試験、給与、勤務時間・休暇、研修、服務・懲戒、不服申し立て、倫理の保持などを所管している。

総裁と2人の人事官のもとに事務総局があり、官房部局として総務、会計、人事、企画法制の各課がある。現場部局として、職員福祉局、人材局、給与局、公平審査局や公務員研修所がある。またぞれぞれ各地方に事務局(例えば東北事務局)が設置されている。今回の講義の要請は事務総局の人事課からの依頼である。


数年前、人事院の出している「公務員白書」を題材に図解した経験があるので、その資料も使いながら講義を行った。

受講生の所属は、総務課広報情報室、人事課能率厚生管理室、会計課経理班、給与局第一課、給与局第二課、公平局調整課、東北事務局、関東事務局、中国事務局、四国事務局などで10数人だった。


人事院というなかなか外部からはうかがい知れない役所の内部や目指している方向や具体的な仕事のなかみ、現下のテーマ、職員の意欲や能力などがわかった。


初めての講義の依頼先は新しいところを探検するような気持ちで乗り込んでいくのだが、私の方もそこを観察するのが楽しみになっている。




帰りの新幹線で宮城大学の馬渡学長と一緒になった。学長も国立大学法人の評価関係の仕事で文部科学省に行っていたそうだ。隣に座ってよもやま話をしているとあっという間に仙台に着いた。