「らしいこと」  と  「らしくないこと」

ある靴屋に半年振りに訪れた。二度目である。

入っていくとご主人が私の顔を見るなり足のサイズを口にしながら挨拶をしたので、驚いた。お客の顔と足のサイズが一致しているのは見上げたものだと感心もした。

整骨院の先生に聞くと、背中をみると顔が目に浮かぶそうだ。


・警察官は目がきつくなる

・エンジニアは何事も細かくなる

・経理マンは数字の間違いに敏感になる

・営業マンは口がうまくなる

・役人は慇懃無礼になる

・教師は人に説教するようになる

・銀行マンはすべてをカネに換算するようになる

・損保マンは世界の事物ををリスクの対象として眺めるようになる

・不動産業者は人をみると年収を想像するクセがつくようになる

・政治家は人をみると票にみえるようになる


学生時代の友人と久しぶりに会うと、職業や仕事がその人の人格形成に深い影響を与えていることを実感する。

職業というものは24時間広く深く思考回路に影響を与え続けているからだろう。思考回路が変わると目つき、口調、しぐさ、服装、そして歩き方なども変化してくる。

特徴の特にない同期生が、経理と営業に分かれたて久しぶりに再開すると互いにそれらしくなっているということがあるように、職業や仕事は人生に多大の影響を与える。


「らしくなる」ことが職業に打ち込むということなのだが、

「らしくない」ということもまた優れた仕事をするために大事なことでもある。