小林秀雄の仕事の流儀に共感---「人生の鍛錬--小林秀雄の言葉」(新潮新書)

日本の近代批評の創始者である小林秀雄(1902年--1983年)は膨大で緻密な作品群を残して圧倒的な存在感をもって時代の中に生き続けている。作家論、日本古典論、美術論、学問論と活動領域は広範であり実に多彩で、しかもいずれの分野も水準が実に高い。それは厳しい自己鍛錬の賜物であることが、新潮新書「人生の鍛錬--小林秀雄」を読むとわかる。


「無常といふ事」「モオツアルト」「近代絵画」「本居宣長」「考えるヒント」「様々なる意匠」「志賀直哉」「私小説論」などが代表作だが、私の記憶に残っている作品も多い。


小林秀雄は、舌鋒の鋭さと逆説的な警句と論理的で格調の高い文章で有名であり、同時代以降の誰もが畏敬の念を持って小林の人物と作品を語る姿を多く見ている。


以下、この本の中で共感を持って読んだ「仕事論」に関する言葉をあげる。

小林秀雄の仕事の流儀である。