「移動」は、経済的・時間的コストではなく、知的資源である

「移動」というキーワードがある。

常に移動し続けている人には面白い発言をする人が多い。

これらの人々の発言を新聞・雑誌・テレビ、そしてブログで見ていると勉強になる。


軽井沢に住んで東京で仕事をしている川勝平太

 最近新聞でコメントしている記事をみかけたら、静岡文化芸術大学の学長に肩書きが変わっている。この4月から日本文化研究所から移ったのだろう。この大学は浜松にあってたしか木村尚三郎が初代学長だった大学だろう。これで静岡も加えて移動の機会が増えてくるのでますます視点が深くなるのだろう。


日本国中をめまぐるしく動き回っている落語の三枝師匠。

 毎日、ブログを見ているが、全国津々浦々を公演で歩いている様子がわかる。簡単な場所のの紹介や感想と写真のブログだが、その経験が笑いのネタになるのだろう。体調の記載もあり、落語も体力勝負ということがよくわかる。


日本とアメリカのシリコンバレーを頻繁に往復している梅田望夫

 梅田のブログはものすごい人気で書き込みが圧倒的に多い。そのコメントに触発されてまた思考が深まってくるという循環の中で成長を続けている。飛行機の往復の時間は司馬遼太郎などの講演録をiPODに入れて聞いているそうで、実にいい時間を過ごしているそうだ。


アメリカ・ヨーロッパ・アジアを計画的に訪問して定期観測をしている寺島実郎

 今もアメリカ出張中だと思うが、米東海岸・西海岸、フランス・イギリス、中国・タイ、そして中東など移動範囲は実に広い。その移動力が膨大な知識と相俟って、豊かで重い発言につながっていく。


身の回りでも出張の多い人は独自の情報を持っていることが多い。

また同僚だった天明茂先生など全国で講演をしている人も自然に移動のサイクルの中に入っているので、気づき情報が多彩になってやますます賢くなるのではないかと思う。


こうやってみてくると、地理的な移動だけをみても、移動による見聞や体験が様々な差異の発見を促し、それが脳を活性化することは明らかだろう。


ここ数年取り組んでいる「人物記念館の旅」でも、なかなか行く機会のない町を観ることにもなり、新しい目で日本各地を眺める機会にもなっているし、独自の発想の源にもなってきつつある。



「移動」は経済的・時間的コストではなく、知的資源ととらえるべきなのだろう。