陶芸体験−−−今年のテーマは愛犬ちょこらの茶碗

新入生合宿では二日目に毎年全員で「陶芸」を体験している。

講師は遠刈田温泉で「アトリエまんぷう」を主宰する豊原先生。20年前からこの蔵王の地に住み着いて本格的な穴窯で陶芸に打ち込んでいる方だ。最近は、中国や韓国でも毎年個展を開くなど海外との交流にも熱心で、最近出来た蔵王町国際交流協会の会長もしているそうだ。


焼き物の話を聞いて、次につくり方の基本などを習って、各自が思い思いの作品づくりをする。学生は初めての体験なので仲間と語らいながら楽しそうに土をこねている。湯呑み、ぐい飲み、お皿、カップなどが、ビー玉を用いた簡単なロクロの上で次第に形を現していく。


できあがった作品は、色の指定をしてまんぷうに預けるのだが、数百度で焼く素焼きをした後かわかして次に千数百度で本格的に焼いて、7月にできあがってくる予定だ。基礎ゼミの終了時にあわせて全員に渡されるが、毎年受け渡しの光景は賑やかだ。この陶芸のプログラムは新入生にも毎年好評である。


引率の私たちも参加するが、私は初年度は湯呑み、次年度は眼鏡置きをつくった。今回は何をテーマにしようかなと考えたが、自宅で飼っている「ちょこら」という犬の茶碗にすることを思いついた。ちょこらはアルミの食器を毎日使っているので、これを私がつくった食器に変えてあげようという趣向である。できあがったやや大きめの茶碗の板状になった底の部分に箸を使って「ちょこら」という文字を丁寧に入れてみた。



愛犬が毎日その茶碗を使って餌を食べる姿をみると、少し幸せな気分になるかもしれない。そうすると家庭内での私の株もあがるかもしれないなあとふと想像しておかしくなってしまった。